はねこ日記

趣味の話してます。ディズニーや創作活動の話題中心。

【展覧会】大乙嫁語り展に行ってきた@京都国際マンガミュージアム【日記】

こんにちは、はね子です。

京都国際漫画ミュージアムで開催されている乙嫁語りに行ってきました。

友人に勧められて以来、がっつりはまってしまった森薫先生の『乙嫁語り』。その展覧会が京都に来ていると9月下旬ごろに地下鉄のポスターで知って「行かなくては…!」と思っていたものの都合が合わずに先送りしていたのですが、ようやく念願かなって行くことができました。

京都国際マンガミュージアムのギャラリーを借りての小規模な展示ですが、美しく繊細な原画が間近で見れてとても素敵な展覧会でした。

それでは、展覧会の感想を綴っていきますので、興味がある方は是非お読みください!

展覧会概要

 開催期間 2022年9月17日(土)〜12月26日(月)

 開催場所 京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー1,2,3

 公式サイト 大乙嫁語り展 | ところざわサクラタウン

京都国際マンガミュージアムにて「大乙嫁語り展」は開催されています。

開催期間は2022年9月17日(土)から12月26日(月)まで。京都国際マンガミュージアムは火曜日と水曜日が休館日であることに加え、開館時間も17時30分(最終入館は17時)までと短くなっているためご注意ください。

展覧会自体は入場料が無料ですが、京都国際マンガミュージアムへの入場料として別途900円(大人料金の場合)が必要です。限定グッズ付きの入場券もオンラインで購入可能となっています。

最寄りのバス停は「烏丸御池」。電車の場合は、地下鉄「烏丸御池駅」の2番出口をご利用ください。

また、展覧会内の撮影はスマートフォンでのみ可能なため、お気に入りの原画を撮影できますよ。

乙嫁語りとは

漫画家・森薫先生による、19世紀半ばの中央アジアに暮らす遊牧民と定住民の暮らしを、それぞれの“乙嫁”を軸に、オムニバス形式で描く長編作品。
2008年に連載スタートし、現在はマンガ誌『青騎士』(KADOKAWA)にて連載中。単行本が13巻まで発売されているほか、2021年より生原稿に近いサイズで読むことができる<ワイド版>コミックスも刊行。
マンガ大賞2014」で大賞受賞のほか、海外向けにも翻訳され、国内外の様々なコミック賞を受賞。

引用:大乙嫁語り展 - 京都国際マンガミュージアム

2022年10月末日現在で単行本で出版されているのは14巻まで。

「乙嫁」とは「美しいお嫁さん」という意味で、オムニバス形式のため様々な「乙嫁」が登場します。全体を通しての主人公は乙嫁として行き遅れだった20歳の「アミル」ですが、他にもたくさん登場する乙嫁たちは各々個性的で魅力があふれているキャラクターばかり。もちろん彼女たちと契りを結ぶ旦那さんも乙嫁たちを愛し大切にしてくれる様子が微笑ましく、とても素敵な物語を紡いでくれる作品です。

また、中央アジアの暮らしを当時の文化や価値観などを意識して巧みに表現しているところもこの作品の魅力の一つ。実際に森薫先生自身が中央アジアに取材旅行をされていて、現地での資料などを基に描かれるお陰か作品の中で表現される風習や人間模様は非常にリアルです。

個人的な印象としては、中央アジアは世界情勢なども鑑みると気軽に行ける地域ではないこともあり(根拠は海外安全ホームページを参照)、乙嫁語り』は圧倒的な描写力でエキゾチックな異国文化を楽しめるバイブルとして親しまれているように感じます。

展示感想

森薫先生直筆のカラー・モノクロ原稿がメインとなる展覧会で、各乙嫁たちの名シーンが多数展示されていました。

10巻に収録される66話「馬を見に」の扉絵が入口のメイン展示。キツネや鷹などの動物に遊牧民族の暮らしぶりが分かる衣装と生活道具が緻密に表現されています。実際に原稿を見て驚いたことは漫画の印刷とはやはり見え方が異なることです。

特に印象深いのはインクの重なりが生原稿は見てとれること修正がほとんどなかったこと

細かく緻密に一本一本丁寧に描かれているのは漫画でも見てとれたのですが、線の太さが異なる部分は繰り返し線を引いているのかインクの厚みがありました。そして、それだけ書き込んでいるにも関わらずホワイトでの修正がほとんどないのです。「あ、ここ修正だな」と気付けたのはセリフの吹き出し部分にあった1箇所のみ。素人目でもその技術の高さに息を呑んでしまいました。

このような質感が見てとれるのは生原稿ならではですよね。

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表紙のイラスト原画ブースを抜けた先には、着色された生原稿が8枚飾られていました。カラー原稿の魅力は色々あるのですが、私は特にグラデーションの美しさに目を見張りました。小物の影や空の移ろいが一色だけでなく複数の色で描かれており、ゆっくり違和感なく色が変わっている様子がとても美しかったです。白黒でも牧歌的で優しい印象はありましたが、カラーになるとよりほんわかと柔らかい印象が増しました。一方でカラーになってもガッツリ描かれる刺繍などの模様の細かさは圧巻でした。

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アミル、タラス…と物語で取り上げられた順に乙嫁ごとの名シーン原画ブースが続きます。

個人的に一番好きな乙嫁は不器用で失敗の多い「パリヤ」。実直すぎて周りに厳しく、お世辞なども得意でないため良縁に恵まれていなかった彼女が「ウマル」と出会い、乙嫁として活躍するまでの過程がとても好きです。なお、パリヤはかなり初期から登場していたのに乙嫁としてメインを務めたのは8巻からなので如何に遅咲きかが分かりますよね。

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そして、今回の展示では一番好きと言っても過言でない9巻58話「仮軸」の扉絵が原画展示されていました! この2人ともお互いを目で追ってる構図が堪らなく好きです。この2人は言葉で「好き」とか「愛してる」とかは伝えなさそうですが、それでもちゃんと異性として意識もしているのが良いんですよね。ウマルくんがパリヤさんの自身の持つ魅力に気づいて大喜びするシーンは本当に大好きです。なお、ちゃんとそのシーンも原画が飾られていて感無量でした。

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ギャラリー3へと続く廊下には中央アジアの特別な展示品が。

「日・中央アジア5か国外交関係樹立30周年記念事業」の公式ロゴは森薫先生が手がけていることもあり、ウズベキスタンをはじめとした中央アジアの伝統工芸品が並んでおりました。各国ごとの伝統衣装は特に刺繍が素晴らしく、『乙嫁語り』の中で描かれる衣装はまさに実物を丁寧に表現しているのだなぁと感じました。

最後の展示ブースには、森薫先生セレクトの原画展示や展覧会限定のグッズ展示、イベントで描かれたドローイングなどが飾られていました。これまで見てきた原画はもちろんですが、森薫先生のドローイングは本当に凄いの一言に尽きます。このドローイングを集めた『SCRIBBLES(意味:落書き)』も最近は販売しているほどです。もう落書きってレベルでないよ。

森薫先生の一問一答などもあり、漫画家を目指す方へのアドバイスも多分に含まれていました。京都国際マンガミュージアムは漫画家を目指す学生さんたちも多く利用しているため、真剣に一問一答を読む学生さんらしき方もチラホラ散見されました。森薫先生は未来の漫画家の手本となる素晴らしいクリエイターですね。

コラボカフェ感想

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京都国際マンガミュージアム1階には「前田珈琲」という京都の老舗喫茶が入っています。こちらの店舗では数量限定で「マメたん」ラテアートが販売されていました。

日曜日の閉館間近のカフェに立ち寄り、コラボメニューがまだ注文できるか試したところ全く問題なくオーダー出来ました。私の他に注文している方もいなかったので、恐らく数量限定とはいえ売り切れることは少ないかなと思います。

ラテアートは森薫先生のあとがきでおなじみのマメたん。かわいい。

お味はいたって普通のカフェラテでした。もっとも私はカフェラテはおろかコーヒーをほとんど飲まないので味の違いが分からない人種です。紅茶系のカフェメニューがあればいいんだけどなぁ…。

購入品紹介

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クリアファイルを2枚とポストカードを2枚。そして、ランダム刺繍缶バッチを1つ購入しました。

クリアファイルとポストカードは推し乙嫁であるパリヤを中心に選びましたが、やっぱり全体の主人公である「アミル&カルルク」ペアのグッズは一つ欲しかったのでクリアファイルを購入した次第です。

刺繍缶バッジは展示ブースに飾られていたものを見ていて、どれが出てきても奇麗でよいなと思ったので1つ購入しました。個人的に一番欲しいと思っていた青色基調の「カルルクの帽子」刺繍缶バッジが出てくれたので嬉しかったです。

展覧会が始まってしばらく経っていた影響で、トートバッグやブックカバーなどの一部グッズは品切れしていました。会期が長いためもしかしたら今後再入荷する可能性は有りますが、欲しいものがある場合は早めの来館して購入しましょう。

ちなみに、3000円以上のお買い物でネームリーフレットがもらえるそうです。こちらは無くなり次第終了の為、すでになくなっている可能性もありますが、欲しい方はお早めにお求めください。

まとめ

白黒の原画がメインの展示なのに驚くほど見ごたえのある展覧会でした。

森薫先生の漫画に対してのこだわりが展示品の隣に添えられるキャプチャーのコメントり現れていて、本当に先生自身が絵を描くことを楽しんでいるのだなと分かり、『乙嫁語り』の魅力がさらに深まったように感じます。

その驚異的な描き込みからついつい中央アジアの文化や風習に思わず目が行きますが、乙嫁たちそれぞれの愛の物語もしっかりと紡いでおり、改めて素敵な作品だなと実感できました。

開催期間は12月26日まで。もし興味がある方はご覧になってはいかがでしょうか?