はねこ日記

趣味の話してます。ディズニーや創作活動の話題中心。

【展覧会】『傀逅―大阪、邂逅。』に行ってきた@心斎橋PARCO【日記:ネタバレ含む】

こんにちは、はね子です。

 

心斎橋PARCOで開催されていた『傀逅―大阪、邂逅。』(以下、傀逅展)に行ってきました。

「傀逅」とは、YouTube配信者(ゲーム実況者)「むつー」さんのオリジナルクトゥルフ神話TRPGシナリオ。同氏の作品として「懐胎」があり、両シナリオを通過すれば独自の完成された世界観を堪能できます。

私は超がつくほどのコミュ障ゆえに卓経験はないのですが、一時期はまっていたこともあり、それなりに多くのセッション動画を見ていました。その折に、「懐胎」「傀逅」も存在自体は認識していたのですが、そのシナリオの長さから少し敬遠しておりました(今となっては激しく後悔してるので、やっぱ流行には乗るものですな)。

そんな私が「懐胎」「傀逅」を見るきっかけとなったのが推し実況者による「懐胎」セッション。約6時間半もあったのに気づいたら時間が溶けてた。

そして、「傀逅」もやってほしいなと思っていた矢先に、再び推し実況者による「傀逅」セッションが行われ、がっつりその魅力に堕とされた次第です。しかもセッション1週間後に大阪で展示やると分かったら行くしかねぇよな。行くしかねぇよ。

というわけで、ガチ探索者でKPもやりまくってる姉(今回誘ったらいつも以上に「行くいく~!」とノリノリだった)を伴い、2度参戦しました。

それでは、感想を綴っていきますので、興味がある方は是非お読みください!

※本展覧会はネタバレ防止ために、一部写真にモザイク処理をしております。ご了承ください。

展覧会概要

 開催期間 2023年10月19日(木)〜11月6日(月)

 開催場所 心斎橋PARCO 14F・PARCO GALLERY

 公式サイト 『傀逅―大阪、邂逅。』 | PARCO GALLERY(OSAKA) | PARCO ART

心斎橋PARCOにて『傀逅―大阪、邂逅。』は開催されていました。

開催期間は2023年10月19日(木)から11月6日(月)まで。

展覧会の入場料は税込700円。ノベルティとして各会場限定デザインの『傀逅展オリジナルKVクリアファイル』や『ハンドアウト風ポストカード』、それに対応した『エンドカード』がもらえます。なお、チケットは当日券も販売されていますが、事前予約推奨です。

最寄りの駅は御堂筋線「心斎橋駅」。心斎橋PARCOは駅改札出口と直結しています。

会場内の写真撮影・動画撮影・SNS投稿は可能となっていますが、展示内容等の大幅なネタバレは禁止です。

なお、2023年11月11(土)から11月26日(日)の期間で『傀逅―名古屋、邂逅。』が開催中です。大阪で行き逃した方は是非とも名古屋へGO!

 

傀逅とは


www.youtube.com

ゲーム実況者・むつー制作のTRPGシナリオ。​
個人販売のものでありながら累計販売数は1万部を突破。​
2019年に販売開始して既に4年が経過しているが、未だにTRPGファンから熱狂的な支持を持っている。​
容赦のない難易度と展開で、全力で立ち向かうプレイヤーたちが様々なドラマを生むと好評。​
傀逅で遊ぶ生配信を作者本人が何度か行っているが、平均12時間前後の長編動画にも拘わらず累計視聴回数は300万再生を突破している。​

2023年7月からは傀逅再始動企画として、約1年半ぶりのむつー本人による傀逅配信、新素材集の配布、本展覧会の開催を行う。

引用:『傀逅―大阪、邂逅。』 | PARCO GALLERY(OSAKA) | PARCO ART

トレイラーが発表されてから既に4年。この度、再始動という形で「傀逅」の世界観を楽しむために傀逅展が催されることになりました。

再始動期間で初めて「傀逅」に触れた私は正真正銘のニワカなので語れることも少ないのですが、本シナリオの魅力はやはり徹底された世界観構築です。

これまで私もそれなりに多くのクトゥルフ神話TRPGを見てきたのですが、どんなシナリオであってもクトゥルフ神話TRPGは一貫して「日常の中に潜む人知を超えた何かとの遭遇」がテーマだと思っています。

「傀逅」はまさしくそんなクトゥルフ神話TRPGのテーマを最大限に生かしたシナリオです。探索者たちは皆ただ普通に生活していた一般人で、特別な地位も能力もないただ無力で非力な存在。クトゥルフの神々の存在さえも知らず、日常を謳歌しています。

そんな彼らの「日常が終わる日」。理不尽に巻き込まれて大切なものを犠牲にしながらもがき続ける日々を描いているのがクトゥルフ神話TRPG「傀逅」なのです。

キャッチフレーズに「――それは、人間に似た奇妙な悪魔達だった。」があるのですが、悪魔の正体を考えるとこのキャッチフレーズは悲しみが詰まっているように感じました。まぁ、私の解釈がそう捉えただけなので実際はどうかわかりませんが。

クトゥルフ神話の設定を逸脱しすぎない程度に独自の解釈を絡め、NPCたちのバックホーンも練られているからこそ1つの物語が紡がれているのだなと実感できる素敵なシナリオです。

ちなみに、私は推し実況者の「傀逅」を見た後、他探索者の「傀逅」も見まくりました。傀逅展に行くまでに見れたのは3チーム分ですが、シナリオが一貫しているのにプレイヤーによって三者三様の結末を迎えるので、TRPGの良さを本当に引き立てているなって思います(ついでに、この記事書いてる時点で+3チーム見たんだけど、マジでそれぞれ展開違い過ぎて全く飽きないんですよねぇ…凄すぎじゃねぇ??)。

既に見ちゃったので私自身がプレイすることは出来ないけど、これまでの中で一番自分でTRPGやってみたくなったシナリオでした。一時的に記憶喪失になりたい。

 

展示感想

※本項は傀逅展のある程度のネタバレを含みます。念のために折りたたみ機能はつけておりますが、基本的には「本項を読む=ネタバレに了承している」と判断いたします。あらかじめご了承ください。

※シナリオ本編に関するネタバレは多分に含まれます。既プレイもしくはネタバレ了承済みの方以外はご遠慮ください。(TRPGは本当にネタバレ見てしまうと楽しさが半減するので、少しでも通過する可能性がある方は見ないことを推奨します。ちゃんと忠告したからな! 気を付けてクレメンス!)

 展示感想(ネタバレ含む)を読む

傀逅の世界観に浸るため、本展示は会場に入る前にも楽しい仕掛けが施されています。入場者特典としてダイスの目に応じた「ハンドアウト風ポストカード」がもらえ、傀逅の舞台である羽星市の市民目線で展示を見て回れます。

実は2度、傀逅展を訪れたのですが両日ともに6をたたき出しました。狙いのハンドアウトが残念ながら出なかったのですが、結局どのハンドアウトを選んでも楽しめるので無問題。

私は1回目にハンドアウト9、2回目にハンドアウト7を選びました。姉は唯一傀逅本編にも出てくる照井明日香(ハンドアウト1)と大阪限定ハンドアウト10を選んでいました。本音はハンドアウト4が欲しかった……!!

入場特典はハンドアウトの他に大阪会場のキービジュアルを使ったクリアファイルがもらえます。このクリアファイルが本気でかっこいいんだなぁ。

堂々とキャッチフレーズでお迎えしてもらえる入口。2枚のクトゥルフ神話らしさのあるイラストは傀逅のキービジュアル。傀逅卓を見ると必ず目に入るイラスのなので、ド迫力のサイズ感で見ることができてとても良かったです。こんなおぞましい造形の神が突然降臨して破壊の限りを尽くしたら怖くて仕方ないだろうなって思いますね。このエリアではむつーさんによる音声ガイドが流れており、あたかも自分が傀逅セッションに参加しているような感覚に浸れます。

どこまで載せていいのか分からないので、雰囲気だけ分かる程度のぼかし処理。以降、こんな感じの写真続きますがご了承ください。それでも分かる人にはわかっちゃうだろうな。

幕をくぐった先に広がるのは羽星商店街。羽星市民たちの何気ない日常の一幕が見れます。結構細かく見ていると本編中のシナリオを意識した部分がたくさんあります。例えば古永先生のカバンにはマッポ君のキーホルダーがついてたり、根墨さんは神の涙を持ってたり。他にも乱馬ボクシングジムがあったり、路地裏で例のトラック事故が起こってたりと、「うわぁ! こんなところに!」がたくさんありました。適合者なら聞こえてくる例の声も聞こえるので、ちゃんと聞こえた瞬間はもう興奮しまくりですよ。(かなり聞こえづらいのか、姉は気づくのに結構時間かかってたので私の方が適合体ってことっすね!)

しかし、その背面に大きく綴られるこのフレーズ。これぞクトゥルフ

日常を壊された先に待ち構えているのは羽星警察署。管制塔のような指令室では羽星市を監視するモニターが設置されており、つい先ほどの商店街が映し出されていました。強制的に怪異に巻き込まれた探索者たちにとって上司にあたる藤原ライカのデスクも再現されており、横には例のジェラルミンケース。引き出しは少し開け放たれていて中には大量のジュエルが詰められていました。きっとこの演出は傀逅に触れたものなら叫び声をあげたくなると思います。

机の上に置かれた書類は、傀逅展にやってきたプレイヤーたちが一言ずつコメントを残していました。私もちゃんと書きました。”適合者”候補一覧なので皆こぞって「適合or適合せず」を書いてて統制されてました。姉が適合せずにしたので私は適合しときました。なお、本邦初公開。私がフルネームで書くとき「花見はね子」にしているという事実(どうでもいい)。ぽん太は姉です。

あと2回目行ったとき、推しと同じチーム所属の実況者がむつーさんと一緒に傀逅展来ていたことを知ったので適合者一覧で探しました。1人はちゃんと適合したのに、もう1人は「適合したい」という希望。したやろがい!!と突っ込むべきかなと思ったので、ここでツッコんでおきます。適合しとるやろがい!!

 デスク横にはホワイトボード一面に貼り散らされた設定原画たち。ここまで評価される作品として仕上げるために大量の検討を重ねたんだろうなという跡を惜しげもなく見せてもらえて最高でした。でもきっと、ここに置いてあるのはほんの一部でしかないでしょうし、クリエイターの創作意欲ってすごい。

個人的はやっぱり悪魔たちのデザインが凄く好きなので、細かく設定されているのを見て感動しました。ただ単純にかっこいいだけじゃなく、ちゃんとモチーフをしっかり意識したデザインなんですよね。傀逅に触れるまで、クトゥルフ神達を全く知らなかったんですが、今回のシナリオに関連する「ハスター」「クトゥグア」「サニド」あたりはかなり調べました。正直、ギリシア神話みたくすっちゃかめっちゃかしてるので私自身まだ勉強中だけど、ざっくりだけでも背景を知ってみると今回の傀逅の裏側をわかってきて2倍楽しい。むつー氏の別シナリオである「懐胎」も合わせると、むつー氏独自の「RIDEシステム」についてもかなり分かるので、懐胎から傀逅に戻ってきたとき「あー!! これはまさかー!!」が多すぎて楽しさが凝縮されまくってる。

いや、もう、ほんと、クトゥルフに違和感なく独自の世界観を持たせる天才だな……むつー氏恐るべし。

すべての始まりである路地裏に進むと、本展示の目玉といっていいかもしれないARアプリを使った特殊演出が登場。会場に入る前にダウンロードを薦められた「STYLYアプリ」で照井明日香同様に2体の悪魔を目撃できるようになっていました(ただし、読み取れと書かれたQRコードが思いっきり床やら箱の上やらにあるのに最初気付かなかった愚か者とは私である)。

ただもうこのアプリ意味わからんほど撮影が激ムズでした。1回目のときはマジでわかってなくて一向に撮れずに諦めて、優しいお姉さんに「こうするんですよ」と後から教えてもらったけど、後ろに予定有ったのでやっぱり諦めたのでリベンジ決意した瞬間でしたね。

2回目のときはやり方は分かったんですが、やっぱりうまくとること自体がハチャメチャにムズイ。写真は自分比で最も一番うまく取れたものなんですけど、ちょこちょこ違和感はあるんですよねぇ…。ぼかし入れてるとそんなに気にならないけど。

でも、演出含めてキッチリ動画写真ともに収めることができたので良かったということにします。ちなみに、むつーさんの傀逅展動画で複数個所AR撮影ポイントがあることを知ったので2回目のときはそこもリベンジしました。あれは気付かん…。

最後の展示はむつーさんの直筆サイン入りパネル。傀逅だからこその一言ですよね!!

私も傀逅に邂逅できて感謝。こんな作品を生み出してくれたむつーさんに感謝しかありません。

傀逅展用に新たに描かれたイラストも最高で、是非とも実物を生で見てほしいと思いました。私はシナリオブックの表紙になったイラストが本展示の中で一番好きでしたね。赤く色付く空、崩壊している羽星市、瓦礫を背に空を見上げる2体。恐ろしくも美しい、そんなイラストです。

最後に、展示入り口でハンドアウトを貰ったキャラクター達の結末がダイスによって決まる仕掛けが施されていました。

1・2・3と4・5・6で引き出しが分かれており、1回目のハンドアウトでは1・2・3でハッピーエンドを2回目のハンドアウトでは4・5・6でバッドエンドを引きあてたので良い結末と悪い結末に分かれているんだと思いました。

しかし、むつーさんの動画でハッピーとバッドもあれば、バッドとバッドもあるとのこと。まぁ、照井明日香ちゃん(ハンドアウト1)とか照井咲良ちゃん(ハンドアウト4 )は本編シナリオを知っていれば「ハッピーにはなり得ないよなぁ」と思ったので納得でした。IFでもいいから照井姉妹を救ってほしいと思う反面、こういう理不尽さがクトゥルフの魅力なんだよなぁというジレンマ。

このハンドアウト制度、本当に繰り返し展示を楽しむきっかけになって楽しかったです。

この先に物販があり、たくさんのグッズがおいていました。大阪限定ポストカードも飾られていたのはグッズ会場のみでした。

あと、比較的女性のお客さんが多かった印象です。TRPG人口って女性が多いのかなと思いつつ、こういう展示に来やすいのは女性だよなぁとも思ったので、来ていなくとも男性でもTRPG(傀逅)ファンは多そうですね。

 

購入品紹介

 

クトゥルフ神話TRPG版​「傀逅」特装版、イベント裏話ブック​「傀逅展の舞台裏」の本を2冊とアクリルスタンド2種、しおり4種+おまけ1種(写真はうち3種を掲載:一部ネタバレ配慮でぼかし入れてます)を購入。同行者のTRPGガチ勢姉上はクソ高限定ダイスとダイストレイを購入してました。ダイス、めっちゃかっこいい。

個人的にポストカードも欲しかったんですが、完全ランダムだったので欲しい絵柄当たらないことを考慮して諦めました。大阪限定の大阪観光してるNPCたちのポストカード、欲しかったな…。

私は推し実況者がマジでグッズ作らない(いや、マジでイベント時でも推しだけグッズないんだからぶったまげるよな)こともあり、基本的に実況界隈のグッズはほぼ買わないのですが、傀逅はゲームグッズ買うノリで購入しました。単純に悪魔2体のデザインが好きすぎるのも原因です。

なお、シナリオブック系は姉と折半でお金を出し合ったのですが、なんとガチ勢の姉は既に4年前に販売されていた通常版を持っていたので「え、マジで特装版のお金出してくれるん…?」となりました。「表紙のイラスト好み過ぎるからな…」とのこと。ガチ勢凄い。でも、特装版の表紙イラスト私も好きすぎるのでめっちゃわかる。アクリルブロック買うかめっちゃ悩んだし、今もオンラインで購入すべきか悩んでる。

ちなみに、5000円以上のお買い物でレンチキュラーカード(見る角度によってイラスト変わるカード)がもらえるます。姉と会計を別にしたので2枚貰いましたが、キービジュアルと黄色い悪魔を手に入れました。赤い悪魔も欲しかったぜ。

 

まとめ


シナリオを通過した人なら絶対に楽しめる傀逅展。ものすごく広い展示というわけではありませんが、代わりにこだわりを強く感じる内容で視点を変えれば繰り返し楽しめる展示になっています。

実際私も2回行かせていただいたのですが、1回目では気づけなかった仕掛けを楽しみながら回ることができ、とても満足しました。

現在は名古屋で展示中ですが、会期も残りわずかとなっています。もし興味がある方は傀逅をプレイ(もしくは視聴)したうえで訪れてみてはいかがでしょうか。

また、行き逃した方は是非ともむつーさんがチャンネルで公開している傀逅展ツアー動画を見てください。今回、ブログ内でぼかし処理をしまくっていた部分の展示内容も含めて細かく紹介してくれています。一緒に回っているフルひろ傀逅も見ることが推奨されていますが、見ていなくとも基本は問題ありません(フルひろがそれぞれどちらの悪魔なのかネタバレされたくないという方は注意が必要ですが)。

 

本当におススメなので、少しでも興味があれば是非とも傀逅の世界に触れてみてください!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!