こんにちは、はね子です。
以前、久しぶり絵本を買ったことから絵本語りをしたのですが、せっかくなのでおすすめの児童書も紹介したいなと思います。
マジカル・ミステリー・シャドー
「芝田勝茂」さんの『マジカル・ミステリー・シャドー』。姉が小学校の図書館で発見し、「面白いから読んでみて!」と強く勧めた結果、姉妹揃って大好きになった作品。
主人公は勉強のできない少年で、彼はとある塾に通うことで成績を上げることに成功します。その塾の勉強法は自らの「影」が自分に代わって勉強をするというもの。次第に自分が影に飲み込まれていってしまいます。
影と自分は一心同体。決して離れられない存在が別の人格を持つ個人として捉えられるのがとても面白い設定で、自身のコンプレックスと向き合う過程も非常に丁寧に描写されています。
主人公の葛藤や同じ悩みを持つヒロイン、そして主人公達とは異なる価値観を持つ友人との関係性も見どころの一つ。
誰だって自分の嫌な面と好きな面、両方併せ持っているもので、それを認めることに意味があるというテーマがあるように感じました。もちろん私なりの解釈なので視点を変えれば異なる解釈も出てくるとは思いますが。
こちらの作品はなんと大学生のときにもう一度読みたくなってAmazonで購入しました。恐らく唯一手元に残っている児童文学書。思い入れが強い本です。
古い作品だと新品で手に入らない事が多いですが、私は幸いにもほぼ新品同様の状態で入手できました。
Amazonはじめほとんどのネットショップで中古品のみですが今も取り扱いがあるため、気になった方は是非とも一度読んでみてほしい作品です。
ロアルド・ダール作品集
映画『チャーリーとチョコレート工場』で有名な「ロアルド・ダール」さんの小説。私は全ての作品を読んだわけではないため多くを語れるわけではないですが、映画の原作である『チョコレート工場の秘密』をはじめ、『まぜこぜシチュー』や『こちらゆかいな窓ふき会社』『魔法のゆび』などそこそこには読んでいました。
その中で、個人的にお勧めなのは『アッホ夫婦』。
ロアルド・ダールさんの作品はブラックユーモアが多く、不気味で怖い描写も多いです。『アッホ夫婦』はまさしくそんなブラックユーモアたっぷりの作品で、物語の結末も中々悲惨なもの。それでも面白いと感じるのは、きっと勧善懲悪に近い内容なためカタルシスを多く感じられるからだと思います。
彼の作品の見どころは仕返しの多彩さ。どの作品であっても一つとして同じ仕返しはありません。どれも仕返し方法が少し恐ろしく、それでいてなぜかスッキリしたものです。だからこそ、映画の『チャーリーとチョコレート工場』は少し彼の作風とは異なる印象を受けたこともありました。(もちろん映画は映画で不気味な工場の良さを大いに引き出していて見る価値はとても高いです)
笑いながら日頃の鬱積も晴らせるお得なストーリーが魅力です。
マジック・ツリーハウス
「メアリー・ポープ・オズボーン」さんの『マジック・ツリーハウス』。
タイムトリップものの冒険譚。ジャックとアニーの兄弟が木の上の小屋と共にあらゆる世界や時代に飛ばされて様々な経験をするお話です。
私が読んでいたのは『ハワイ、伝説の大津波』まで。なぜ読まなくなったのかと問われると当時の私が児童文学から離れたことが理由でしかありませんが、今もなお定期的に新刊が発売されている長いシリーズです。日本語版は現在(2022/06/23時点)全49巻発刊中。
マジックツリーハウスの面白さはなんといっても多彩すぎる世界旅! 様々な世界の国を知ると同時に歴史も学べて一石二鳥の本となっています。
私の場合は、『ポンペイ最後の日』でイタリアのポンペイで起こったヴェスヴィオ山の大噴火や『タイタニック号の悲劇』でタイタニック号の沈没を初めて知りました。また、子供向けのファンタジー作品だからこそ史実の結末を自分で調べる余地が残されています。大まかな概要をこの本で学び、自分で調べることでより詳しく学ぶことができる工夫も長く愛される所以なのでしょう。
ちなみに、私の家にはこの作品の劇場DVDがあります。レンタル落ちで見つけて流れる速さで購入しました。小説のいいとこ取りしながらさっくり楽しめる良作映画です。
黒魔女さんが通る!
「石崎洋司」さんの『黒魔女さんが通る!!』。私がいわゆるライトノベルにハマるったきっかけと言っても過言でない作品がこちら。同じタイミングではまっていた作品に『妖怪ナビ・ルナ』もありますが、個人的には黒魔女さん推しでした。
なお、ショートアニメ化しているため、私は大学生時代にAmazonプライムビデオで一気見していました。全60話ありますが、7分という短いアニメなので2日くらい有れば全部見れます。
黒魔女のギュービットと黒魔女見習いに強制的になってしまった黒鳥千代子の2人が主人公。当初は学校の同級生のトラブルを解決するお話が多かったですが、シンデレラ編以降からどんどん魔界などのファンタジー要素が強くなりました。個人的には大形京というキャラクターがいろんな人の性癖に刺さるとんでもキャラだと思ってます。
こちらも私が児童と呼べる年齢から離れて以降本自体は買わなくなってしまったため、全巻読破しているわけではありませんが、現在もなお発刊が続いている長期作品です。
あとアニメの公式サイトに何故かいっぱい背景資料がたくさん公開されていて、こういう背景イラスト見るの好きなのでよく公式サイトを覗いていた記憶があります。今も残ってんのかなと思って調べたらバッチリ残ってました。大人になった今見ると、ショートアニメとはいえかなり力の入った作品だったのかなと思います。たった7分のアニメにこんだけの背景資料用意するとかアニメーターはスゲェや。
まとめ
大学生くらいになると読むのは小難しい論文ばかりになり、社会人になってからは手軽に読めるネット小説ばかりになりました。
もちろんそれも面白くないわけではないですが、子供の頃に読んでいた児童書はまた違う魅力があるものです。
というかちゃんと本として体裁の整った小説を読む機会がすこぶる減っている私にとって、子供の時に親に隠れながらベッドでページを捲るあの経験はとても楽しい時間でした。
児童文学は知識の吸収というよりは「読書を楽しむ」ために作られている物だと認識しています。
子供の頃はどうにも活字に抵抗感を持ってしまうため、楽しさがないとそもそも読み続けることが出来ないんですよね。カラフルで楽しげな表紙や可愛らしい挿絵で構成された児童書は本を好きになるための登竜門のような気がします。そこからどんどん発展していき、より知識を学ぶための読書に変換していければ本の価値も高まってくるのでしょう。
もしも大人になった今でもあまり活字を読むことが好きでない方(正直このブログはかなりの文章量なので活字を読むのが苦手な方は少ないと思いますが…)は、是非とも児童文学から読み始めてみて下さい。
児童書だからと侮るなかれ、大人が読んでも楽しいと思える本は無数に存在しています。
お読みいただきありがとうございました!