はねこ日記

趣味の話してます。ディズニーや創作活動の話題中心。

【プレイ感想】全員陰キャのラブコメゲー『陰キャラブコメ』やってみた【ネタバレ含む】

こんにちは、はね子です。

 

某実況者さんの動画を見て久しぶりに自分でクリアしたいと思った「じょせふ電産」さんの『陰キャブコメ』というゲームをプレイしました。

私、ゲームといえば乙女ゲームという環境で育った身なのですが、社会人になって以降自分で乙女ゲームを作っていたにも関わらず他者の作品をあまりプレイしていませんでした。初めはその某実況動画だけでも良いか…と思っていたのですが、その動画で取り上げられていたキャラがとても魅力的すぎて、他ルートでもかなり輝くとのコメントを拝見して流れる速さで購入しておりました。恐らくお金を出して乙女ゲームを購入したのは7年ぶりです。

公式さんが全編ネタバレOKとのことで、お言葉に甘えてネタバレ全開でプレイ感想を綴っていきます。未プレイの方はご注意ください。

念のために折りたたみ機能はつけておりますが、基本的には「本記事を読む=ネタバレに了承している」と判断いたします。あらかじめご了承ください。

それでは愛が爆発してクッソ長いですが「読んでやるよ!」という方は、ご覧いただければ幸いです。

ゲーム概要

引用先:陰キャラブコメ(製品版) - じょせふ電産 - BOOTH

 タイトル :  陰キャブコメ

 攻略キャラクター:4人(大橋大河、番井孝人、ash、西村晴日)

 備考:製品版(400円)、無料版(キャラ選択まで)

オタサーの姫」ならぬ「オタサーの王」と謳っているだけあって主人公もなかなかキャラが濃い設定の恋愛風のベルゲームです。完全ネタに走っているんだろうなと思いきや、ちゃんとガッツリ乙女ゲーム。しっかりと恋愛模様も描かれます。笑いと恋愛の配分がマジで素晴らしい。そして、バッドエンドは基本的に割とヤバい。

フリー素材を使いながらも、ここぞというときは素敵なスチル(1枚絵)が登場するので、とても400円とは思えないクオリティです。製品版の説明によるとプレイ時間は全ルート約2時間とのことですが、ハッピーエンドやバッドエンドなど複数のエンディングがあるので全ルート楽しもうとすると恐らくもっと時間はかかることでしょう。私の場合、スクショしてたり感想メモしてたりとプレイ外の時間が多々あったとはいえ5時間くらいかかりました。ほんと400円でよかったんですか??

また、エンディング数は恐らく10種。公式に発表されているわけではないため不明瞭ですが、全選択肢を一応試しているはずなので正しいと思います。

私が発見したエンドは以下のものでした。

 陰キャラブコメ・エンディング一覧(クリックで展開※エンディングタイトル表記あり)

 大橋大河 :  1種「彼女wwwwできたんですよねw」

 番井孝人:2種「再生」「BAN」

 ash:5種「あなたは花のような」「俺と○○(設定した苗字)」「迷惑な男でしたね。」「華の告白」「Flowers Died」

 西村晴日:2種「▲」「▼」

 追記(2023/01/29)※超ネタバレを含む!注意!

作者さんのTwitterでのコメントで、隠しルートが仄めかされていたため探してみたところ、マジで存在していました…!

私は本ルートをこのツイートを拝見してから2日ほど要しました。乙女ゲームの盲点を突いた仕掛けで唯々驚きでした。

どうしてもわからないという方向けに、本記事でルート解放の攻略を記載します。当該キャラクターの感想に追記していますので、万が一の場合はご利用ください。(でも、自分で見つけると達成感えげつないので本当に頑張って探してみてね!! 本気でマジて自分で見つけるからこそ最高だよ!!!!!)

隠しエンディング(反転)

大橋大河 :  「あなたなんのためにゲームしてるんですかw」※ルートの通り方によって追記シナリオ有り

本当に素晴らしいボリュームで、是非とも自分でプレイする価値ありの良作です。

私はオタクと言っても界隈に偏りがあるため、シナリオ内に隠された小ネタのおよそ9割気づけていないとは思いますが、「これ、○○ネタだろ~!!」となる瞬間も楽しいです。

気になった方はネタバレ踏む前に今すぐダウンロードだぁ!!

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陰キャブコメ

 作者:じょせふ

 公式Twitter:https://twitter.com/inlove_eigedo

 配信サイト:https://joseff0414.booth.pm/items/4210896

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各ルート感想

繰り返しになりますが、ネタバレしかありません。

「プレイ済みだから平気!」「ネタバレ上等!」という方以外は読むことをお勧めできません。

また、私的メモとして全ルートの攻略も載せていますが、基本はご自身でルート開拓することを推奨します。エンディングは結構あるけど、そんなに難しくないよ! がんばれ!

それではプレイ順に感想を綴っていきます。

共通ルート感想

ゲームのプロローグ部にあたる共通ルートは主人公の性格をざっくりと理解しつつ、彼女が陰キャたちと恋愛するために行動に至るまでの流れが、非常にテンポが良くて楽しいお話でした。

共通ルートは全体としてコメディー要素が高めでふざけている描写も多いのに、陰キャを愛したいという主人公の本能が所々で透け出ていて、一瞬狂気も感じるほど。完全に相手を堕としにかかる主人公って乙女ゲームで初めて経験しました。いや、実際乙女ゲームって攻略先を意識しながらプレイするので対象を狙うのはその通りなんですけど、大半の乙女ゲームの主人公は恋愛意識していないけど逢瀬を重ねているうちに恋愛感情を抱きいつの間にか互いに惹かれていた…っていうのが王道なので、愛されるのを待つのではだめだと言って行動に移していく本作主人公は今まで体験したことのないキャラクター性でとても魅力的だと思いました。てか、会長まじ精神が強すぎる。

この作品の主人公は、ゲームの謳い文句に相違ない「オタサーの王」ですよ。少なくとも絶対に姫じゃない。

 もっとネタバレ有り感想を読む(クリックで展開※ゲーム画面・スチルのスクショあり)

主人公の一人称・ハンドルネーム(以下、HN)・苗字・名前を変更できます。

ここ設定しないと公式からスッゲーのぶっこまれます。一人称が「ワイ」のHNが「オス筋肉」は草。

デフォルト設定がめちゃくちゃ面白いですが、私の乙女ゲームの楽しみ方は攻略対象ごとに名前を変えることを徹底しているので容赦なく変えました。

私はかつて乙女ゲームを30本ぐらいやった経験から、名前を変えられるゲームはキャラごとに名前を変えて、見た目激似の別人って洗脳しながらプレイするようにしてます。主人公に自己投影はさせないので初期ネームがあるのはありがたいものの、初期ネームでプレイすると一人しか攻略できない病気にかかるんですよね。つまり、私は面倒な固定カップル厨。

ということで、名前生成メーカーで中性的な名前を作ってもらいました。動画見ていてとても女性らしい名前は付けられないと悟ったが故です。

ちなみに、それぞれ以下の設定で攻略しました。

 大橋大河 :「菅田 零(すがた れい)」一人称「俺」、HN「零」

 番井孝人:「吉良 千晃(きら ちあき)」一人称「私」、HN「吉良」

 ash:「中平 湊(なかひら みなと)」一人称「あたし」、HN「湊」

 西村晴日:「大矢 凛(おおや りん)」一人称「自分」、HN「凛」

以降のスクショでこれらの名前が登場したら主人公の台詞だと思っててください。あと、一人称を「自分」にするのはガチでお勧めしません。ものすごく読みづらかった。

さて、プロローグで注目したいのが主人公の独白。ただ陰キャを愛する女の子かと思いきや(てか、この時点で割とヤバい奴である)、この子「イキリ陰キャを理解(わか)らせる」とか言ってるんです。初手からなんか恐ろしいこと言ってね? と、実況見ていた時から思いました。某実況主さんも勿論引っ掛かってた。

そして、そんなイキリ陰キャを求めて常に疼いているのが主人公。正直、到底感情移入などできない。とにかくヤベェ奴だわ…というのが感想でした。

そして、この台詞。全クリしたからこそ今となってはゾワッと鳥肌が立ちます。主人公どうかしてる(その半面、最高でもある)。

 

 

プロローグの怒涛の演出は全てとても面白かったです。陽キャ警報に陰キャスカウター、実写陽キャに流行りのSDGsネタまで。とにかく笑いのツボを心得ています。

実写陽キャの写真から、陽キャは絶対描かないという強い意志を感じましたね。つまり、西村君はこの時点で既に陰キャということがプレイヤーにはバレバレなのである。まぁ、でも彼の目って光が灯ってないですからね。髪が金なのは大学デビューでしょって全プレイヤーが思ったと思う。

あと、このSDGs風のイラストにある番号459って「しごく」ってことですよね……? 何とは言わないが普通に察してしまいましたね。私ももう純粋さを失っちまったみたいだよ。

しかし、陰キャのためになら正義のヒーローにもなれる主人公は凄いと思います。その功績からいじめられていた陰キャオタク「丼さん」に変わって「叡聖ゲーム同好会」通称「叡ゲ同」の会長になる超展開は「ごり押してんな!」と思いましたが、これくらい強引に行かないと接点作れないのも事実。だって相手は陰キャだからな。

導入を無駄に長くしても意味ないので、勢いとテンポで話を進ませるのはとてもお上手だと思いました。

プロローグでお気に入りシーンはここですね。アカウントを間違えかけて焦る番井さん。主人公と同じく「番井さんもやべとかいうんだ…」ってなったわ。当初はこの反応から番井さんはネット弁慶で裏アカウントですこぶる悪口書き込んでいるのかと思ってました。だいだいくんとかリアルで接してたら愚痴の一つや二つ書き込んでもおかしくないしな。まぁ、裏アカウントがあったのは間違いないんですが、正解は予想の斜め上でしたね。

そのあと、そそくさと一旦退席したのは不都合なものを隠すためだったのか。でも、それなら自叙伝を置いていくのは詰めが甘い。

好奇心旺盛な主人公ちゃんはガッツリカバーを外して見やがるよ! この「ほりあき」の元ネタは言わずもがなで「ちょwww」とオタク感丸出しの感想が飛び出ましたね。逮捕歴のある起業家と2ちゃんねる設営者から名前が作られているとは思いますが、設定的には後者寄りでしたね。

フリー素材のこの写真もほりあきっぽいもの選びましたと作者さんのツイートに載ってました。センスが光りすぎてる。個人的にはほりあき本が登場したときのBGMがくるみ割り人形金平糖の精の踊り(不協和音アレンジ)だったのも最高でした。

あと、プロローグでは定期的に主人公が心折れかけるシーンが何度かありますが、「でも、それがいいんでしょ?」とついついツッコミを入れてしまいます。陰キャなんぞコミュ障の巣窟だろうがよ(偏見)。

お気に入りシーン2つ目。西村君登場時の主人公のひどさ。

陽キャに絶叫して気絶までする。史上最強に本編中での口の悪さが目立った会話でしたが、陰キャを愛しすぎている主人公らしくて好き。陰キャは全肯定マンで陽キャは全否定マンなの草。

また、完全にゲーム制作者としての目線になりますが、この無駄に多くシナリオ書いてしまうはめちゃくちゃ共感でした。唐突にメタすぎる作者コメントがゲーム本編に出てきて大笑いしたんですが、クリエイター目線に立つと使おうと思って使えなかったシナリオを泣く泣く削るのってすごい悲しいから入れたくなるんですよね。強引にでも挿入するの、コメディでしか使えない手法なのは否めませんがとても良いと思います。 

そしてぬるっと本編に戻る。

最後に、共通ルートの選択肢分岐。素敵な一枚絵。だけどみんな目が死んでる。

 

番井孝人ルート感想

某実況者さんの動画で番井孝人にまんまとはまった私は、「バッドエンドが見たい」とまず先にプレイしました。ハッピーエンドは濃厚なバッドエンドが下地にいるからこそ輝くと思うので絶対見たいのだよ。

彼のルートは動画視聴によってネタバレ済みだったのでおおよその部分は新鮮みに欠けていたのですが、やはり購入を決意するだけの魅力が溢れていて実質2週目だったにもかかわらず楽しめました。

だがしかし、誤算もある。「バッドエンドどうなるかな~」とウッキウキで嫌われそうな選択肢を選んでいったのに、番井さん全然嫌ってくれないんだが……。この人、主人公のこと聖人君子かなにかと思ってるの?

そして、記念すべき自分で迎えたエンディングはなんとまさかのハッピーエンド(動画で見た!!)。どうやらことごとく選択肢を外さないとダメらしいです。3つ中2つ外してもハッピーエンド迎えられるって番井さんチョロすぎん? 

目的のエンディングではありませんでしたが、何度見てもこのハピエンはお気に入りです。切り替えミスは何度見ても最高ですなぁ!!

その後、選択肢全外しで無事バッドエンドを迎えました。正直、動画視聴中は番井さんの陰キャ要素どこ…? だったんですが、陰キャ力が発揮されてたのは間違いなくバッドエンド。自業自得とはいえ、イキリ陰キャの堕ちていく様子はハッピーエンドとの落差も相まっていろいろグッとくるものがありましたね。その正体は決して良い人ではなかったけど、彼の葛藤をプレイヤーは見てるからこそ堕ちたのがマジで心が痛い。なんか、もう、うん。可愛い人ですね、番井さん。

なお、最後はハッピーが良いので、すぐに3度目のハッピーエンドを迎えに行った。バドエン後の幸せ展開はマジで輝いてらぁ…。合掌。

感情の起伏がジェットコースター並みに振り回されるルートだけど、自尊心ズタボロ×ヤンデレ陰キャが見たい方にお勧めです。

 もっとネタバレ有り感想を読む(クリックで展開※ゲーム画面・スチルのスクショあり)

プロローグ時からハッピーエンドまで、初志貫徹してめっちゃ主人公を尊重して気を使ってくれるし親切で、「どこが陰キャ……?」ってなるレベルで人ができてます。本編中でも主人公が自分で言っている通り、まさに叡ゲ同の潤滑油。他3人と比較してしまうから余計に「番井さん……好き……」ってなる。裏の顔知った後でも4人中1番主人公には優しいし、比較的まともに見える不思議。

趣味の話してるときとか「何このお見合い」って思った。ちな、番井さんの趣味は服見ることだよ! だから陰キャにしてはお洒落さんだったんだね! 苦手なものトマトなのも可愛いエピソードでしたね。

まぁ、その正体はぜんっぜんまともじゃねーんだけどな!!

この人の裏の顔は登録者100万人以上のミーチューバ―(この世界でのYoutuber)。しかも、アングラなネタを取り扱う炎上系。名前は「タカヒト」。

このハンドルネームもちゃんと本名から取られているのだから驚き。ちゃんと初めに「番井孝人(つがいこうと)です」と自己紹介してくれるので、孝人(こうと)=タカヒトが繋がらないんですよね。先述してる通り、私は番井さん1周目を実況動画で見ていたおかげで、実況主さんが「……タカヒト……あれ? こいつ番井さん??」といった具合に気づいてくれたので「マジか!!」となりました。絶対自分でやってたら気づかなかったですね。ゆえに、立ち絵で登場したときは「ひええ~! マジもんの番井さんやぁ~!」って感じでした。

主人公が番井さんの裏顔に気づくまでの過程も凄くリアル。気になる相手を検索してしまうっていうのは、褒められたものではないですがよくある行為ですよね。特に本人がSNSをやっていると知っていれば、相手の情報が拾えるんじゃないかと期待もしてしまうもの。それがパンドラの箱を開けることになるとは思いもしないのです。

てか、ふつうはただの1個人名が検索に引っ掛かることの方が少ないはずですから、期待せずに検索してサジェストに不穏すぎるキーワードが並んだときの衝撃たるや。プレイヤーは薄々感づいてましたが、主人公の立場になったら目の前が一瞬真っ暗になるのも頷けます。

しかも、これまで主人公はタカヒトのシャベット(この世界でのツイートのこと)に嫌悪感を示してブロックしていたほど。望んでないのに流れてくる不愉快なツイートを一つずつ非表示に変えていき、毎度うんざりしていたツイートの主人が気になる相手だったなんて失望通り越して唖然とするのも無理はありません。私自身も正直炎上系Youtuberは苦手なので主人公の気持ちは共感のオンパレードでした。

偉いのは主人公がここで番井さんの事情を考慮しようとするところですね。普段の姿とは重ならないからこそ何かあると察するし、無遠慮に踏み込むのは如何なものかと葛藤しつつも逃げずに真実を問いただしたのは好感度が高いです。ほんと会長さんがカッコ良すぎるんだが。ちゃんと乙女ゲームの主人公だね!

番井さんの活動は現実的に考えれば擁護できません。周りから責められることをしてると分かっていてミーチューブを続けるべきかを葛藤する優しさがあったとしても、続ける選択をしているのは自分自身です。

やめたいという本音、やめられない本心。矛盾する自分を正当化するために、他の人がタカヒトを求めているからと言い訳するのは凄く人間らしくクズですね。自覚があるからこそタチも悪い。

そんな二面性のあるキャラクター性が番井孝人の魅力なのだとは思います。まぁ、二次元だからこそなんですけど。私もツイステとディズニーネタの炎上系を見てたりするので同じ穴の狢ですが、実際に親しい相手が炎上系だったと分かったらマジで引くしもちろん距離を置きます。主人公並みの包容力は発揮できねぇ…。

炎上系らしいコメント欄の再現性も完璧。ネットだと相手の顔が見えない分、気軽にひどい発言ができてしまう。好意悪意玉石混交のコメント欄は確かに神経削られる。ついでに悪い方ばかりが目に付くのもめちゃくちゃ分かる。100の高評価を持っていてもたった1の低評価が気になるっていう感じですよね。番井さんの場合は自業自得だけど。

ただ炎上系の動画のコメント欄って私もあまり好きではないですね。なんなら個人的には動画主に対して好意的な発言して、一緒に叩いているほうが見ていてキツイ。炎上するのって故意であれ過失であれ炎上させた側に問題があるのは確かなんですけど、自分だって炎上させる側に回る可能性を考えると普通は軽々しく叩けないですよね。好みの問題なので好き嫌いはもちろんありますし、嫌いなものの方に過剰反応するのは当たり前ですけど、そこはぐっと我慢してわざわざ発言せずに静観するのが一番だよなって改めて感じました。

乙女ゲームなのに、めちゃくちゃコメディー多いのに、取り扱ってるテーマはめっちゃ考えさせてくれる。すげぇよ、作者さん…。

あと、番井さんルートで布教について言及があったのですが、これも凄くオタクなら共感の嵐だと思います。無理な押し付けダメ絶対。

布教活動は下手打つとマジで関係性壊すと思うので、一度勧めて反応悪ければ潔く引くくらいがたぶんちょうど良いんですよね。まぁ、だいだいくんはそんなの関係なく布教しまくってるみたいですが。すげぇな、だいだい

あ、でも、私。陰キャブコメを姉に布教したら沼に落としましたよ、やったぜ。

 【再生】

 攻略・選択肢メモ

「どうして彼が、このようなアカウントを運用しているのか」

「番井さんですな?」

「続けてもいい」

タカヒトとして活動する自分に思い悩む番井さん。悩んでいるときに他人をかまっている余裕なんてないですよね…。あの常に優しかった番井さんがだいだいくんに少し怒気を込めて言い返すってよっぽどですよ。

そして、ashさん優しい~! 口めっちゃ悪いし、この人もたいがい面倒くさいけど番井さんをかばってくれるのは根が良い子の証拠なんだよな(ashルート見るとマジで「あっ……ああ~……!」ってなる)。タカヒトであることを検索して申し訳なさ募ってる時もアドバイスくれたし、マジで番井さんルートでの縁の下の力持ち(そんな彼に番井さんは割とひどいことする)。

悩んでいる番井さんを追いかけるか否かをプレイヤーにゆだねない主人公。ここ絶対選択肢出ると思ってた。だって、こういう時に選択肢が出るのが乙女ゲーム。選択肢を叩き潰した主人公ちゃんの力技がサイコーです。エレベーターに追いつくくらいの勢いで番井さんの為に階段駆け上っていくのもめっちゃ好感度高いです。良作の乙女ゲームって絶対主人公がいいキャラしてるんですよね! 

そして、なんとか番井さんに追いついて、一緒にご飯食べに行った先がまさかのぼったくり居酒屋。ここまでえげつないぼった酒屋は経験ないですが、私も一回タベログの評価に騙されて割高金額支払ったことあるので「死ね!! ぼったくり店!!」って思いました(さっきの発言棚に上げて軽率に叩く)。私は小鉢のポテサラ(お通し)が1000円で取られているだけだったけど、マジで切れてたなぁ…。皆さんは、ネットの評価を鵜吞みにしないようお気を付けください。複数のサイトでの口コミを見てるといいよ。私がぼったされたところGoogleの口コミ1以下だったよ。

闇居酒屋に鉄槌シーン! もうマジで滾る!!

スチルがまたいい味を出していて、左半分は困り顔なのに、右半分はニヤケが隠しきれていないのがまた最高でした。個人的には全スチル中で一番好き!

しかも炎上系に引いてた主人公の前で包み隠さずタカヒトになるのが主人公を信頼している証拠なんですよね。主人公もそんなタカヒトに変わる番井さんを否定せず、彼の撮影を見守っているのが素敵です。疾走感のあるBGMに切り替わる演出もタイミングバッチリでいやおうなしにテンションが上がります。

そして、切り替えミス。自信満々のタカヒト状態でこぼれ出る本音。

自信に満ち溢れているからこそ「愛しい○○」って勝手に名前呼んでしまうの最高か? 最高だったな。絶対番井さんだったら呼び捨てで名前を呼べないだろうし、本性陰キャなので番井さん状態で切っ掛けなく思いを告げるとかありえないと思うので、この強引な告白がめっちゃいい。

見た目タカヒトなのに中身が番井さんに戻って照れ顔晒したのも堪りませんなぁ。

タカヒトとして出版した本が売れずに、影響力ある人間でないと気づいた番井さん。番井さんは中二病から目が覚めて「やめたい」と話していましたが、多分この人が辞めたいと思ったきっかけはこの出版会社のせいだと思いました。もちろんそれまでにも優しさがあったのは事実だと思うので沢山悩んではいるとは思いますけど、一番の理由はこれなんだろうなと。いつ本を出したのかは分かりませんが、多分そこそこ最近なのかなって思ってます。

人間って勝手に期待して勝手に失望しますよね。出版社だってタカヒトの本が売れると期待して出版の話を出してきているはずですし、結果を見て失望するのってめちゃくちゃ失礼な話です。炎上系とはいえミーチューバ―としてのプライドはあっただろうし、そりゃ卑屈にもなるよなって。

番井さんのやめたくない本心をちゃんと見抜いて、本音は語りながらも否定せずに寄り添った主人公が凄い。この優しさは対陰キャにだけなのだと思うと狂気も感じますが。

破壊力抜群の告白シーン。ちな、ちゃんと関係性を築いた上でしっかりと告白してくれるの番井さんだけである。一番叡ゲ同で主人公を尊重してくれていたからこそ、彼女が受け入れるのも早かったですね。やっぱこの人他3人とはちょっと違ったな…(なんなら1人は告白すらしてないので本来は論外である)。

この再生エンドは、本当にお気に入りで全員攻略後も何度もエンディングを迎えてます。そのうえでの発言になるのですが、主人公は基本的にどのルートでも番井さんに対して好感度がかなり高いんですよね。まぁ、嫌う要素がないのでそれもそうだよなって感じですが。やっぱり日頃からの信頼度がものをいうわけですな。

タイトル画面やゲーム紹介画面で一番目立っているのはだいだいくんで陰キャブコメのテーマ考えれば彼こそメインなんですけど、多分恋愛シナリオ的にメインキャラは番井さんなのかなって印象。番井さん、他ルートでも存在感あります(特にashさんルートでは大暴れする)。

そしてこのエンディングカードである。執事服を公式で見せてもらえるご褒美。

 【BAN】

 攻略・選択肢メモ

「少し気分の悪い、そのアカウントの正体が」

「番井さんのお兄さんかなにかですか?」

「やめるべき」

選択肢を全部外すと余裕のない番井さんがだいだいくんに正論叩き込まれる展開に早変わり。だいだいくんならこういうこと無遠慮に言うのはその通りなのですが、悩んでいるその最中に正論突き付けられたら動揺は計り知れないものでしょう。たとえそれが自業自得だとしても。

ましてやネット上での悪口には慣れていても、リアルで真っ向から叩かれることは経験がなかったはず。だいだいくんだからな…で流せずに、本気で動揺している姿はかなり哀れさを感じました。まぁ、自業自得なんですけど。

なお、こっちルートでもashさんは優しいですね。

そして、再生エンドと同じように様子のおかしい番井さんと鉢合わせしても主人公は追いかけない。ああ~、バッドエンド直行だ~ってなります。

出版社の対応はたとえ相手が炎上系であっても失礼すぎ。相手が炎上系だということ差し引いても、出版社として話を通したなら礼儀くらいは弁えないと…ですね。再生エンドではひどい態度を取られたという一言だけでしたが、より詳しい当時の状況が語られて、自尊心をひどく傷つけられたという描写が悲しくなりました。

二面性があり本心を隠し続けた番井さんにとって、芯の通った主人公は女神のような人。だからこそ主人公に肯定されたいと思い至った。

その結果が闇落ち。有名になることこそ主人公に肯定される手段だと思いこむ。そんなものなくても、あの会長なら肯定してくれるよと言ってあげたくなります。

そして、「僕にだって、低俗である権利がある」。この言葉はマジでしんどかったです。炎上系ミーチューバ―のタカヒトは下品だと主人公に評価されていたくらいには、これまでだって番井さんは低俗なんですよ。なのに、自分の中では事実以上は叩かないとか死ねとか汚い言葉を使わないとか線引きをしていて、だからこそまだ高尚だと思っていたらしい。全然高尚じゃないのにね。それなのに枷を外してまだ堕ちようとする。もう悲しい通り越して痛ましい。

最近、割と見かける。直接的な暴力でなくとも、言葉のナイフが相手を追い詰める例のアレ。番井さんはもちろん責められる立場。たからといって、同じように叩いていた人まで正義面してタカヒトをたたき出すまでの流れもえげつないほどリアル。この作者さんの再現性の高さがえぐい。

ショッキングピンクの 鮮やかな色彩のスチルがまた効果的。如何に精神的におかしくなっているのかが見て取れる。演出神がかりすぎではないですか?

他者からの憎悪に嘔吐して、心の平穏を保つために結局主人公にすがることになったタカヒトなのか番井なのか分からないナニカ。焦点の定まらない視点で責任転嫁をつづけようとする彼をぶった切るのが主人公。

甘い言葉で全肯定してタカヒトも番井も関係なく包み込もうとするのは、もう愛ではなく狂気です。主人公はやっぱりおかしい(誉め言葉です)。

主人公の包容力にドギマギして、その甘さに甘えていいのか一瞬逡巡するものの、結局堕ちた昇天顔はいろんな性癖を目覚めさせる破壊力でしたね。股間がにじんでいたのも細かい差分。

行きついた先がカップルチャンネル。登録者数は減って、アンチも増えて、これまで築いてきたミーチューバ―としての功績はもちろん番井孝人本人の人生までも嘲笑うようなエンドですが、本人にとっては幸福なメリーバッドエンドでした。
……なんていうか、ほんっと自業自得でしかないエンディングなんですけど、いろいろときつかったですね。いや、シナリオとしてはめちゃくちゃ楽しくて更に番井孝人を好きになったのは間違いないんですけど。

あと、エンドカードがまたYouTubeならではだったんですが、そこで主人公に調教開発されているのが分かって「は……? 主人公さん……!?」ってなりました。そう、彼女の目的はイキリ陰キャを喰いつくすこと。このエンディングは炎上系としてイキっていた陰キャを完堕ちさせた、真に主人公の目的を完遂するエンディングと言って過言でないのだ。めっちゃ怖い。

てか、番井さんはいつでも堕とせるって思ってるのが実は最初から透け出てる件について。なにこの、「番井さんは…まだいいかな」って選択肢。まだって何、まだって。喰う気満々だろ!

主人公はキャラ濃いって分かってたけど、周回するごとにその濃さが浮き彫りになる。マジで陰キャなら全肯定してくれるぶれないところが最高で最低。すごく、良いです。

 

大橋大河ルート感想

目的の番井孝人ルートを完クリしたので、キャラ選択の上から順番に攻略しようと大橋大河くん、通称「だいだい」くんを2番手として選びました。

息をするように他人をあおり、ネットの価値観で生きている。彼の発言は全てネット構文で重みがない。だいだいくんは共通ルートのせいで「こいつは……やべぇな……」が滲み出ています。一体主人公はだいだいくんをどうやって愛するのか。てか、ちゃんと乙女ゲームとして成立するのか。攻略前から不安でしかない。

しかし、陰キャに対して懐の深さが尋常でない主人公のおかげで、予想に反してちゃんと乙女ゲームをしていたかなと思います。正直、番井さんルートと比べるとそこに恋愛感情が宿っているのかは不明だけど。

私はもとより「主人公=自分」という自己投影型で乙女ゲームを楽しまないため、「すげぇな…主人公…」って気持ちで俯瞰してみてしまうのですが、自己投影させる人は果たしてこの子を最後まで攻略できるんですかね…。私はだいだいくんが自分の彼氏だったら耐えられん。即縁切るレベルのうざさである。

そしてまさかのエンディングが1種類。「強制このエンドなのwww」と大草原不可避でした。イキリオタクの真髄を堪能できるけど、徹頭徹尾マジでキツイ。なんで主人公付き合い続けていられるの。あ、主人公も狂気抱えているからか。

とはいっても、イキリ陰キャのマイナス面をこれでもかと詰め込んだキャラクターなので、本作のコンセプトとしては最強最高に違いなかったです。他3人と比べても、ずっとぶれずに軸を持っていたので「だいだいくんは安定してて偉いねぇ!!」と癒しでもありました。だいだいくんが癒しになるとかマジで思わなかったですよ。まさか、魔性の魅力を持って……んなわけねーな。

けど、やらかしてちょっと気にして真顔になるのは可愛げがあってええやんってなりました。だいだいくんだって男の子! 気になる子の前では見栄張りたくなるよね!(実際に同じ経験したら私はフェードアウトするけど!)

真面目に絶対リアルでは付き合いたくないキャラクターを乙女ゲームの攻略対象としてぶち込んだ作者さんのその胆力、見習いたいなと思いました。だいだいくんルートは悲鳴上げながらクリアするのが正史だと勝手に思ってるので思う存分キツイとかキモいとか言って貶しちゃいましたが、だいだいくんは大好きなキャラクターです。

陰キャブコメをダウンロードしてだいだいくんクリアしないとかありえないので、「ぐああ!!」と叫びながら攻略しましょう。

 もっとネタバレ有り感想を読む(クリックで展開※ゲーム画面・スチルのスクショあり)

 【彼女wwwwできたんですよねw】

 攻略・選択肢メモ

どれ選んでもOK!

自分で選んでいてなんだけど、よくだいだいくんを狙いに行こうと思ったなと感心します。悪い子ではないけど…と言っても、主人公はちゃんとだいだいくんがイキリオタク由来のデリカシーのなさをわかっていますし、服もダサいと評価してます。到底もっと知りたいと思う要素が皆無である。

だいだいくんを知るなら叡ゲ同のメンバーに聞く必要があるため、真っ先に問い訪ねたのが番井さん。ここで任天堂のアソビ大全が出てきたのは大笑いしました。「ノレドー」となっていたけど、隠しきれてねぇ! ルドーじゃねぇか!!

私はルドーをプレイしたことがないけど、推しの実況者がえげつないルダーなのでそのゲーム性は知ってる。クソゲーか否かは評価できないけど、自分でやりたいとは思わないかな……。

ここの番井さんのだいだいくんへの評価は番井さんルート通ってると重みが違いますね。実際、心の中にだいだいくんがいるっていうのは間違いない気がします。だいだいくんほどオープンな人はいなくとも、誰だって人より優位に立ちたいと考えるのはよくあるもの。好きなものとかだと無駄にマウント取ってしまったりね。期間なんて関係ないのに、古参になると新規参入者を毛嫌いしてしまったりとか。ある意味オープンなだいだいくんは愛すべき存在なのかもしれません(でも、やっぱ恋愛はキチィ…)。

あと、このシーンはプレイヤーである私もダメージを受けました。 ゲームを実況動画だけで済ませてしまうの私もよくやる。やっぱ心の中にだいだいくんをみんな飼ってるんだ……!

言い訳するなら、私はガチはまりしたものはちゃんとお金出しますよ。ノベルゲームは手元に置くし、アクションゲームは操作がクソザコなのでプレイとかできない分、公式供給のグッズとかで貢献するのである。公式に貢ぐ方法なんかいくらでもあるからゲームを買うだけが手段でないと自負してる。

そして、だいだいくんは公式でなく実況者に投げ銭するらしい。番井さんも言ってた通りお金を払う価値は人それぞれなので勿論良いのですが、私はこの感覚だけはあまり理解できない人種なので「その2000円を製作側に落としてやれよ…」と思っちゃいましたね。推し実況者が「オレに投げ銭するくらいなら公式に金落とせ」的なこといってたのが大きいかもしれない。

なお、ノベルゲームなんてネタバレするとマジで買ってもらえない恐れあるのに、承知の上で全編ネタバレ許可してる『陰キャブコメ』はめちゃくちゃスゲーんだぞ!! 400円? 全編ネタバレ見てたとしても絶対に買うわ!!

生き生きしてるだいだいくん。キラキラしている効果は彼の魅力を感じている証拠……なのか?

水を得た魚のようなだいだいくんに対して、消えかかっている番井さんとスチルにいないけどたぶん絶対ひいてる主人公。他人の反応なんぞお構いなしにマシンガントークをつづける空気の読めなさと本家を平気で貶すデリカシーのなさは健在の様子。まーじでだいだいくんみたいなオタクになってはいけないと心の底から感じるシーンでしたね。

軽率な発言のせいでだいだいくんと一緒にカードショップへ行くことに。カードゲームをほとんどしたことがない私にはちんぷんかんぷんでした。とりあえず、カードショップって臭いんだな……。

だいだいくんの趣味は割とオタクが通る道をしっかりたどっているのでしょうが、私はカードゲーム未経験、配信は基本見ない(スパチャ文化未体験)、ソシャゲもツイステ以外やっていないという雑魚オタクなので理解不能なところがいっぱいありましたね。Twitterによく浮上していればしているほど刺さるのかもしれません(なお、私はTwitterBotと化すくらいには低浮上)。姉はだいだいくんルートはいろんな意味で刺さるって言ってた。オタクっていろんな種類がいるもんだな。

 

共通ルートでも感じてましたが、だいだいくんルートでも神がかった演出の嵐です。オタクがたくさんいる様子をチェック模様で表したり、貧乏ゆすりするだいだいくんをイメージ図で表してみたり。なんだこれって一瞬なるんですけど、なぜか納得してしまう。このカードゲームシーン、しょちゅうシャカパチ音が聞こえてるのも笑えます。
また、何気にちゃんとルールを教えてくれてるのは微妙に感心しました。いちいち煽りを入れないと気が済まないのはともかく、実際に1時間遊べていたのはだいだいくんの功績ですよね。やるじゃないか、だいだいくん。

 素直に二度目のお誘いしたのも好感度高いよ! 照れ方ちょっときもいけど!!

カドショの次はカラオケへ。中学生オタクのデートプランに心躍らせている主人公は猛者ですね。大学生のデートプランも私はよく分かりませんが、カドショもカラオケも初デートでは勘弁願いたいな。

下ネタ歌詞曲歌うと替え歌Ver歌うとか、とにかくいろいろツッコミどころが多すぎるのですが、一番大笑いしたのは主人公の冷静な分析。ドリンクバーにいって帰ってくるまでにどれだけ時間かかるのかを擬音過多の語彙力で説明してくれるのが面白かったです。「SO LONGTIME」の演出もめっちゃ好き。謎の疾走感があった。

体を蝕むほどの陰キャ力をもつだいだい。すげぇーな、おい。

ほどほどにねって主人公が言ってるけれども、この後も一緒にご飯に行くのだから主人公も強すぎる。だいだいくんに合わせられる人類って主人公だけなんじゃないの……?

そうか、主人公は陰キャの守護者(ガーディアン)だからだいだい爆弾に付き合えるんだな。

ごはん後に立ち寄ったゲーセンでだいだいくんが食べ過ぎで吐いてしまうシーン。ここ、もうマジで引きました。いや、人間なんだからそういうこともあるのは仕方ないんですが、やっぱ引く。私は仕事柄子供とよくかかわるので、稀に吐いちゃう子もいるので嘔吐物処理には慣れてるんですが、だいだいくんは大学生だからな……。やっぱ子供と同じとは思えない。

主人公はすげぇよ。後輩とはいえ出会ったばかりの他人を見捨てなかったんだからな。

いつも通りにふるまうかと思いきや、吐いたことを気にして押し黙る姿は初めて「ええやん…!」ってなりました。この子、自分の都合が悪くなると黙っちゃうタイプなんですね。普段煽り散らかすのは自分を守る盾! これこそ陰キャ!! 最高!!!

虚勢を張るために心配する主人公の発言遮りながら煽るのが、「あー、もう、こいつウザいけどある意味無垢なんだよなぁ」ってなりましたね。ただし、ほりあきの言葉「それあなたの感想じゃないですか」は草。

憐れまれたと思って噛みついて、普段より語彙力も低下して「ウザ!ウザ!」と繰り返していただいだいくんを素直にさせたのは、紛れもなく主人公が彼と向き合って話した結果。なんだ、だいだいくんルートもちゃんと乙女ゲームしてるじゃないか。ちょっときもいけど(誉め言葉)。

でも、これはマジでキツかった。つ、付き合ってることになってるだと~!?

しかも独占欲強くて番井さんへのマウントが露骨。初めて彼女持った童貞野郎の真髄を垣間見た気がしました。主人公はその陰キャ力っぷりにぞくぞくしてたけど。なんだ、お似合いカップルか。

主人公の行きたいところに付き合うとか言っておきながらサイゼ指定したり、クチャラーでモノ食べながらソシャゲ回してたりで、私はぜっっっっっったい彼氏なんかにしたくないが、主人公にとっては地獄のような楽園生活らしいです。恐れ入ったぜ。

 追記(2023/01/29)※超ネタバレを含む!注意!

【あなたなんのためにゲームしてるんですかw】

 攻略メモ

①「彼女wwwwできたんですよねw」「BAN」「Flowers Deid」「▼」を「もう一度あの輝かしい陰色の春に戻る」を活用して続けて攻略し、だいだいくんルートに戻り「別に…みんなにいつバラしてもいいんだけどな」を選択

②「もう一度あの輝く陰色の春に戻る」を選び、「彼女wwwwできたんですよねw」「再生」「あなたは花のような」「▲」をクリアしてからだいだいくんルートに戻り「別に…みんなにいつバラしてもいいんだけどな」を選択し、「いいえ」を選ぶ

③もう一度あの輝く陰色の春に戻る」を選び、だいだいくんルートに戻り「……会いに来た」を選ぶ

「もう一度あの輝く陰色の春に戻る」を繰り返して、全員を堕としてからだいだいくんのルートに戻ると、選択肢が追加されました。出てきた瞬間にゾワッと鳥肌が立ちました。

この時の主人公、「みんな」を壊した経験を持っているからこそだいだいくんも壊しにかかっています。吐いたことを気にするだいだいくんへの対応が脅しなのって、正規ルートと180度違いすぎて本当に恐怖。

そして唐突に始める暴力。たとえどれだけ主人公が狂気に走っても相手に暴行を加えることはなかったため、首を絞める描写が非常に生々しく映りました。握力が足りないからのどぼとけを抑えて苦しめようとするのは確信犯です。

その後も笑いながら続く暴行は見るに堪えないものです。

そして、ついに陰キャを愛すると自負していた主人公とは思えない発言が飛び出します。もしかしたらどのルートであってもバッドエンドの主人公は陰キャたちに対してストレスを感じていたのかもしれませんね。だからこそ堕ちて尊厳を失った時、主人公は自分こそ人間ができていると思っているので彼女の望むペースに適応した彼らを「愚かでかわいい」と感じたのだと思いました。

他の叡ゲ同メンバーも主人公の手によって堕とされましたが、直接的に傷つけられた描写がなかったため、この鼻血や首を絞めた痕跡が残るスチルは作中で最も痛々しいものです。さらに、垂れた鼻血を唇に引き、リップのようだと称して口付ける。茫然自失なだいだいくんに口付けした瞬間が最も残酷で愛を感じました。

その後、やりすぎたことに気づいて言い訳したのに、結局彼に謝罪を求めようと暴行をつづける主人公。しかも、ついに動かなくなってしまうだいだいくんを心配するのではなく、自分の保身を考えていました。

彼女は陰キャを愛しているというよりも、虐げられる相手を愛しているのかも。でも、だいだいくんは何気に叡ゲ同メンバーの中で最も芯があり、自身の意見をなかなか曲げないので簡単に堕ちてくれない。ゆえに、暴力で訴えたのかもれません。

 

エンドタイトルが表示され、ようやく「陰色の春に戻る」選択肢が出なくなります。ただし、タイトルに戻ることを拒否することもできます。

「いいえ」を選ぶとよく分からない空間でだいだいくんに責められます。ただ、その内容はさっきまで殴っていたことではなく、主人公が役割を演じなかったことについて。自分が望んだ役割を全うしなかったことを責めているのです。

この空間において、だいだいくんは「会長さん」ではなく「あなた」といって話しかけてきます。なんと主人公ではなく「プレイヤー」に話しかけているのです。プレイヤーは陰キャを愛するためにこのゲームをプレイしたのに、愛するどころか彼らを不幸にする選択肢をどんどん選んで人生を破壊した。だからこそどんな陰キャでも愛し続ける主人公を演じ切れと怒られているのです。

この空間で眼鏡をかけていないだいだいくん。彼もゲームの為に陰キャオタクを演じているに過ぎないのかもしれません。しかも、壁には「ご来店前に入浴ぐらい僕だってしてるんですがwwオタクバカにしすぎですよwww」とも書かれていて、作中のカドショの悪臭はフィクションだからこそと強調しています。

まさかのメタフィクション。とんだ展開でこっちの感情も追いつかない。

でも、主人公の常軌を逸した行動に怖いのなんのとこれまでに感想を書いてましたが、主人公の行動を選択しているのは紛れもないプレイヤーなんですよね…。だいだいくんはそんな行動を取らせるプレイヤーを責めているのだと思いました。

そして再び、あの「陰色の…」の選択肢が出てきて強制的に戻されるのです…。

再び全員のハッピーエンド(ashさんベストエンド必須)を見て、再びあの空間へ。全員愛した後なら陰キャを愛する役割をこなしたので、変化も起きる。

ついさっき「陰色」の選択肢が出たタイミングで、今度は「いいえ」の選択肢が出ました。ここで主人公が語るだいだいくんを救いたい…の理由は初め分かりませんでした。でもまぁ、また陰色の春に戻されてだいだいくんと話して、結局「ああ……そうだったんだね」ってなります。

ちなみに、このときのだいだいくんの台詞はちゃんとヒントです。殴らなくてよいんですよ。主人公にひどい行動させなくていいんです。まぁ私は本当に察しが悪く、陰色の春に戻って再度だいだいくんを除いた全員のハッピーエンドを迎えたんですけどね!!!

そしていま一度、だいだいくんに戻ると、選択肢が追加されてました。

会いに来た。これは主人公ではなく、プレイヤーがだいだいくんに会いに来たんですね。

正直ここでだいだいくんから攻略Wiki見て来たんだろっていう言葉はかなりキツイでした。今回は私は必死で探して見つけたので「自分で会いに来たわ!!」って誇れるんですが、攻略Wikiみちゃうのはノベルゲームあるあるですよ……。主人公が「見たら駄目なのか」と問い訪ねてくれていたので少しだけ救われます。だいだいくんもダメだと言っておきながら結局最後まで否定はしませんでした(だからこそ、このブログに攻略載せて申し訳ない気もするけど、それでも助けたいのに助けられないプレイヤーを減らせるならと載せておく)。

 プレイヤーがゲームを周回していると知っているだいだいくんは、楽しんだら別の人で遊び始めると言ってディスります。主人公は否定してくれますが、うん、……ごめんよ…だいだいくん。プレイヤーである私は、正直絶対やる。陰キャブコメはみんな最高で、ここまで見ても推しは揺るがず番井さんなので間違いなくやる。やらない選択肢がまずない。

だって、私にとってこれはゲームだから。そこは否定ができませんでした。さんざん主人公が狂気とか言ってたけど、なんだ……結局一番の狂気は自分だったか。

物語は続き、主人公は「しない」と否定して、だいだいくんを助けるために周回することが必要だったと泣いてしまいます。泣けば許されると思っていると彼はいうのですが、結局泣いてぐしゃぐしゃになった主人公を見て煽りながらも必要以上に責めなくなります。これ以降のだいだいくんはちゃんとプレイヤーも主人公も見てくれているんですよね。なお、私は「だ…だいだいくん……」とは思うもののやっぱり他人事に「ほえー」と読み進めている最低なクズである。

西村君ルートで少しだけ触れていた、主人公がかつて所属していたサークル名を忘れていたことの伏線をここで回収。「叡聖アニメ部」略して「叡アニ」。主人公とだいだいくんとで叡アニに対する印象はかなり違ったようです。

だいだいくんは叡アニで悪口を受けて、以降二度と叡アニを信じられなくなったらしい。そして、復讐するために頭の中のミニチュアを蹴とばすとみんなの記憶からなくなったらしい。叡アニの存在が忘れられたのか、叡アニは存続しているけれどもサークルメンバーの記憶から大橋大河という人間が忘れられたのか。それはよく分からなかったのですが、どちらにせよ主人公がサークルを覚えていなかったのはだいだいくんと関わったが故だったのでしょう。

ただ、この言葉、結構私にも刺さりました。ごめんよ、私、君のこと普通にキモいって言ってたわ。彼氏には絶対無理って言ってたわ。悲鳴上げながらゲームやるのが正史とも言ってたわ。めっちゃ最低やん……。五体投地で謝罪しても許してもらえんレベル……。

大好きなキャラクターで癒しだったのはその通りなんだけど、だからといって悪口は平気で言ってましたね。相手がどう受け取るかが重要で、こっちが勝手に判断していいものでないのにね。いや、マジでごめんなさい。だいだいくん。

悪感情がない人間なんていないだろうし、心の中で思うのはもう仕方ないとは思うけど、やっぱり声に出す前に一度考える必要があるんだなって思いました。ほんと凄い考えさせてくれるわ……。

うん。ここで急に私に向いたときはマジでぐうの音も出なかったね。馬鹿にしてたよ、間違いなく。

本作一番のクズは私でした。まぁ、ここで責められても変えられないのだから救えないし、救ってもらおうとも思ってないのも事実だけど。自分のことなのに矛盾しまくるって、人間って複雑っ~~~!

さて、この空間の中で、何が凄いって主人公はちゃんと目の前のだいだいくんと向き合い続けているってところですね。

男誑しといわれるのもこのルートでは仕方がない。だって全員喰ってきたので。バッドもハッピーも全部通ってきたからこそ、ここに行きつくんです。そうしないと行きつけない限りは、主人公は喰わざるを得ないんですよね。

なお、私は固定カップル厨なので、隠しルートがだいだいくんと聞いて初めは「菅田零」で攻略してました。ただ、やっぱり全選択肢、全パターンを試しても解放されなかったんで別にあると察したんですよね。

初めは「だいだいくんのことが、大事だから…」を選ばずに1時間放置したりしてました。時限性の選択肢って結構あるので選択しないのが正解みたいな。ハンターハンターかよ。

当然開かないので、「だいだいくんの~」の選択肢でゲームを強制終了してみたり、「だいだいくんの~」以外の選択肢が出るまでロード繰り返してみたり、大量にセーブデータ作ってみたり……まぁ、結構いろいろやりました。

で、休憩と称して他の3人攻略してて違和感を感じたのが、「何故、陰色の春に戻そうとするのか?」でした。普通の乙女ゲームって、エンディング到達したらタイトル画面に勝手に戻るんですよ。陰色の春なんて戻る必要がないんです。

そこで、本作のテーマを思い出したんです。「オタサーの王となり、陰キャオタクを喰いまくれ」です。……全員喰う必要があるんじゃね? と。あと、番井さんルートで言及してたんですが、この主人公「番井さんは”まだ”いいかな…」って発言もしてたんで、「喰わねば…」ってなりました。正直、固定カップル厨にとっては唇噛みしめながらやることにはなるんですが、隠しルートは絶対見たかったんで、悪いのはもう間違いなくプレイヤーである私です。

ただ、「菅田零」ちゃんを浮気させたくなかったんで、作者さんが喰うことを前提に作ってくれているだろうデフォルト設定「加賀美とおる」ちゃんでプレイしました。今となってはこの名前を変えててよかったなって思いました。真の意味でだいだいくんを救えたのは「加賀美とおる」ちゃんだけど、浮気者でない「菅田零」ちゃんもだいだいくんをしっかり愛してくれていると思えるので。都合よすぎwwwwだって? ええやろ、プレイヤーである私が神。好きに遊ぶのだよ。

悪意を継接ぎしながら、善意にする。この考え方は私にはなかったので目から鱗でした。

本当に、すごく素敵な考え方だと思いますね。混じりけのない善意なんて絶対的に少数だし、途中で言ってた通り人間は普通相手に期待するものですよ。期待するって一見いい言葉ですけど、ある種枷でもあって悪意になるんです。向こうのキャパを勝手に想像して、出来なかったら失望するんだから。

だからこそ、相手を労われるのなら偽りでもいいとは思います。心の中で何を思っていても、見えるのは表面だけなんだし。なかなか認めたくないけれど、そういう汚い部分も含めて認めてる主人公はまさに正ヒロインですね。憧れるわ、本当に。

傷つけられて、失望して、ずっと一人で虚勢を張って。自分の敵になる人をミニチュアの中に放り込んで、これまで何度も消していっていたのかな。そして、消すたびに周りの記憶が消える。いや、消えるというよりは時間がリセットが正しいかも。ただの考察なので正解は分かりませんが、私はだいだいくんがミニュチュアを蹴るたびに時間がリセットされたのだと解釈しました。だからこそ、だいだいくん以外のキャラクターは真っ新な気持ちで陰色の春を何度もめぐり続けていたのだと思います。

 あれ、てか、ashさんルートでだいだいくん「分かると思うよ、あなたならw」って感じのこと言ってたけど、これって今思うと主人公でなく私に言ってたんですね。プレイヤーである私はashさんの事情も完璧ですもんね。そりゃ助けられるし、それ分かってアドバイスくれてるんだわ……あのセリフ。え、何、だいだいくん、マジで天使やん……。

そんなだいだいくんを助けてあげてなくてマジで後悔しました。まじで、助けてと顔歪めた時、何も言えなくなります。そっと寄り添ってあげてありがとうね、加賀美ちゃん。

もうこの子叡ゲ同大好きやん。皆さんでむつのかみに行きたいって、叡ゲ同が大好きでないと出てこないよ、こんな言葉。そりゃ、みんなを壊しただけのとき怒るわな。

最後、あの特別な空間から抜け出してから「いろいろあったけど、嫌いじゃない」っていう言葉が最高でした。このゲームは乙女ゲームだし、彼氏作るのが目的だったはずなんですが、ここの台詞から「付き合う」ではなく「仲良くする」で終わったことが伺えるんですよね。

でもこれは、自分の居場所である叡ゲ同を好き勝手荒らした主人公(プレイヤー)なんかウザくて当然だし、まだ直ぐには信じきれないからこそだと思うんですよ。たくさん話してお互いを理解していきたいって段階のはずなんで、好きかどうかを問われればたぶんだいだいくん自体もまだわかっていないんじゃないかな。今後、恋愛でなくともいいから人として好きって言えるようになればいいなと思いました。

当初、シナリオとしてのメインは番井さんかな…なんて思ったけど、この終わりを見たらもう『陰キャブコメ』のメインキャラクターは全てにおいて大橋大河くんですね。だいだいくんは、可愛くて、優しくて、魅力しかないキャラクターでした。

……まぁ、私の推しはそれでも番井さんだったのだが(台無しである)。

なお、これを見てたぶん本当に終わりだと思いながらも疑い深い私は再度もう一度攻略したっていう。純粋な心を失っちまうのは悲しいね。

また、この隠しルートなんですけど、「まあなんというかwwwwどうもありがとうございましたw」って最後出てくるんですが、エンディングタイトルっぽい感じで表記されたわけでないので、エンドとしてはカウントしてません。

てか、「あなたなんのためにゲームしてるんですかw」ってエンディングタイトルに対しての回答が「だいだいくんを救うため」だと思うので、エンディングとしては1つなのかなって。よって、だいだいくんは2種類のエンドだったと判断しています。バッドからのどんでん返しハッピーってほんッとに良いね。

 

ashルート感想

3番目は他2ルートをクリアして、「あれ、この人意外と優しいんじゃね?」と感じ始めていたashさんをプレイ。正直自ルートのashさん、結構なクズだった。

口癖は「不快」で、本名すらもわからない謎な男。でも顔は良い。叡ゲ同、陰キャの集まりのくせに顔面偏差値高くね?

正直、当初私はashさんがあまり好きではありませんでした。彼にどれだけ事情があったとしても、その価値観を他者に押し付けて、勝手に嫌って悪態を吐くというのは気分が良いものではないからです。主人公や叡ゲ同のメンバーはashさんに傷つけられるような真似をしていないのに、彼からナイフのような言葉を浴びせられるのは理不尽で仕方ない。特に主人公は「女だから」の理由でよりひどいことを言われているんですよね。途中まではずっと「うーん…」と言いながらプレイしてました。

そんな彼の印象が変わったのはハッピーエンド。これまで悪態を吐いてばかりのashさんが自分の態度を反省し、主人公を尊重して丁寧に接しようと努力する様子は、「頑張れ、頑張れ!」と応援したくなりました。きっと彼のルートは、ashさん自身の成長を見守る物語なんだと思います。

だからこそ、エンディングの多さに比例してたくさん用意されていたバッドエンドがまた見もの。ashさんルートって5種類もエンディングあるんだぜ? 他3人は2種類以下だったのにマジで多い。ありがとうございます、ご褒美です。

バッドエンドは彼自身がまいた種でもあるので自業自得なんですが、とある2つのエンディングは流石に「や、やめたげてよぉ~!!」ってなりました。主人公と番井さんの2人は心死んだのかなと思うほどに、ひどいエンディングなので報いの受け方が尋常ではないです。何もしないだいだいくんはオアシス(常に人煽ってるけど!)。なお、西村君は他2人と同様にルートに入ってる頃にはフェードアウトしちゃってるんで気になりませんでした。

まぁ、番井さんルートの感想でも語ってた通り、濃厚なバッドの上にハッピーエンドは成り立つのでプレイヤーとしては大満足だったんですけどね!!

分岐も多く、ゲーム性の高いashさんルート。エンディングタイトルも「花」に関連していてセンスが爆発しているなと感じました。

 もっとネタバレ有り感想を読む(クリックで展開※ゲーム画面・スチルのスクショあり)

全てが謎なashさんを解剖するべく、ashさんを除いた叡ゲ同全メンバーが揃っているタイミングで彼のことを聞き出すも、3人とも全く気にかけていない様子。必要以上に干渉しないところが陰キャたる所以なのですが、無駄に踏み込まれるのは誰だっていやだと思うのでこの距離感は良いなぁと思いました。たぶん、ashさんがなんだかんだ叡ゲ同に来てるのも無関心不干渉が徹底されているからかな。マスストやりたい気分になったときだけ群れるのは楽だよね(ちな、マスストとは、叡ゲ同で最も遊ばれている「大問答マスターストライク」のこと。つまりはスマブラである)。

良い情報が引き出せなさそうだなと思った矢先、だいだいくんべらべら唾飛ばしながら話してくれます。おかげで主人公のマススト知識がどんどん増えてく。たぶんこれ、スマブラが実際にそうなのかな…。格ゲー世界もあんまり詳しくないので知らんけど。フィッシャーズが大会開いてたなぁとかおもったけど、あれも公式はついてなかったんだろうか。

そして、この会話でashさんがマスストガチ勢であることを知る主人公。「大会も知らないんすかwww」といった具合にだいだいくんにプギャられるけど、そんな煽りにも動じない会長さんにしびれる憧れるぅ! 逆にだいだいくんの照れ顔を獲得。こいつの照れ方相変わらず変だな(誉め言葉です)。

はじめてashさんと1対1で会話して、なぜか唐突に呆れられる。ashさんにとっては理由があるのかもしれないけど、主人公にとっては思い当たる節もないのは当然のことで、本当に何もしてないのに勝手に「甘えた場所になった~」とか言われてます。むしろ、こんなこと言われて楽しくからかうように切り返した主人公は相当人としてできてますよ。 

しかも、その棘のある皮肉を主人公は敏感に感じ取ってます。乙女ゲームでよくある鈍感主人公でなくてとてもいい。乙女ゲームの主人公って全く気付かないこと家も多いけど、普通は悪意混ざってる言葉はやっぱわかるもんだよ。

それなのにashさんを否定しないでマススト大会を調べたりとすごく健気ですね。あと、こういう格ゲー画面の素材を用意しているところも凄く手が込んでていい。熱狂する会場の様子も文章と画像と効果音で巧みに再現しているのところも良い。

ここまでの感想でも何度も演出が最高って述べてきましたが、このゲームは本当に作り込まれてるんですよ。このシーンだって普通なら暗転だったり、部屋で見てるんだから部屋の背景だけで物語を進めてもいいんです。それなのにタイトルロゴを態々作って、背景画像を編集して…と、400円の金額に見合ってない仕事量です。真面目に尊敬する。

そして、マススト界隈の殺伐とした様子も凄くリアル。私はスマブラ界隈がどんなものなのかなんて知りませんけど、炎上する切っ掛けって割とどこの界隈でも同じなんですよね。番井さんルートでも思ったけど、炎上してしまったのは仕方ないとしてもそれを平然と叩けるネット民の悪意の方が怖いです。しかも、番井さんも言ってたけど、100パーセント善意でたたく人もいるんだから炎上って恐ろしいですよね。ギャグとシリアスの絶妙な配分が素晴らしいなぁ…。

時が進んで話題は叡大祭へ。前の2ルートでもこの話題は出てましたが特に触れてなかったのでashさんルートでようやく語ることになりますが、叡大祭は主人公たちの大学で開かれる大学祭のことですね。番井さんルートで叡ゲ同メンバーの3人が執事服着てたエンドカードの由来。主人公、執事喫茶やらせたがるっていい趣味してますな。

番井さんの指示でashさんと買い出しに出かけることになるのですが、ここでもashさんは行きたくないと我儘を炸裂。番井さんの「叡ゲ同は保育所じゃない」って言葉、後の展開で「ああ~~~!」ってなります。

あと、番井さんからのラブを感じてる主人公が好き。くっそ、相変わらず他ルートでも輝きやがるぜ番井さんよぉ!

結局2人で買い出しに行くのですが、そこで変態オタクに絡まれるashさん。このオタク、「もえか」って言ってるんですが、実はashさんにも裏の顔「女装男子もえか」があったんですよね…。そりゃこんだけ綺麗な顔してたら女装のクオリティも高いわな。男の娘が変態オタクに迫られるってどこのエロゲ?

このあたりからashさんの事情をプレイヤーは察し始めることができるので、「うん…。なんかあるんやろうな……。でも、それと主人公に毒吐くのとは別なんだよな……」と何とも言えない気持ちになります。

 

 

番井さんもそうですが、二面性のあるキャラクターって何かしらの事情を抱えているものなんですよね。ashさんの場合は家庭環境。花柄のワンピースを着たいと言っただけで病院行き。まさに毒親

???で正体が隠されていても会話内容で父親と思しき台詞には、ashさんの口癖である「不快だから」があります。きっとこんな父親と同じとは思いたくないはずなのに、結局は同じ言葉を吐き捨ててしまっているashさん。子は親を見て育つもの。母親も父親を味方してお腹を痛めて生んだ息子を守ってくれないんですね。

また、台詞中では「↓」や「+」で表記されているのですが、恐らく性差別を日常的に繰り返しているのだと想像できます。家庭内では我儘を言えずに自分の部屋だけが逃避先だからこそ、外の世界で親の目に触れない場所でだけ横柄にふるまって我儘になる。最低だし好きになれないけど、仕方ないよなって気持ちもプレイヤーとしては感じました。

まぁ、でもやっぱ思いっきりケガさせておきながら立ち去ったのはクズ。

その後、謝るどころか心配して気を遣う主人公のその思いやりすら踏みにじる行為はガチギレ案件でした。思わず「逝ってよし!!」と思っちまいましたね。

もはやここで主人公が折れていたらashさん攻略することの方が苦痛に感じるほどだったので、個人的にはだいだいくんよりしんどかったです。折れずにプレイできるのは主人公がすこぶる強かったお陰ですね。

相手の悪いところをちゃんと指摘して、謝罪を要求できる強さを持っている主人公が本当に魅力的。母親に叱られているように感じて子供みたいに逆切れしたashさんに「役割を押し付けるな」と一蹴した台詞は痺れました。ほんとこの時のashさん、ダサすぎる。ままならないのは分かるけど主人公に当たっていいものじゃない。先の叡ゲ同は保育所じゃないって台詞がほんと響いていましたね。

ちなみに、一向に謝らないashさんに痺れを切らしたのは主人公ではなく番井さん。たぶん以前から思うことはあったんだろうけど、この人主人公至上主義なところあるので彼女がashさんに心砕いているのが嫌だったのは大きい気がします。てか、このシーンになる前にも番井さんashさんの出禁を提案するんですよね。相当怒り心頭だったわけだ、こわ。

 

 【迷惑な男でしたね。】

 攻略・選択肢メモ

①2つ目の選択肢で「じゃあ、出禁でお願いします…」を選ぶ

②3つ目の選択肢で「 ……そうする。」を選ぶ → 「行かずにそのまま帰る」

嬉しそうだな、番井さんよぉ! 

ニヤケが隠しきれてないのが見え見えで恐ろしさを感じた。この立ち絵、番井さんルートでも見ていたのにこの時が一番生き生きしているように見えてしまいました。

しかも堂々と「叡ゲ同の邪魔な要素」っていうんですよ。何があったの番井さん!!

その後、ashさんを2度と見ることがなかったというのも恐怖。マジで何したの番井さん。

この「迷惑な男でしたね。」エンディングはパターンが2つあって、1つ目の方は割とサクッといなくなるので「そっかー」くらいで終わります。ただ、2つ目のパターンは番井さんが間違いなく何かしてるので「は? は?? 何? 何するわけ???」と混乱します。そして、この2つ目のパターンは続きがあるのだ…。

【華の告白】

 攻略・選択肢メモ

3つ目の選択肢で「 ……そうする。」を選ぶ → 「……見に行く」

番井さんに清掃が入るから部室棟に来ないように言われた主人公。しかし、それなら全体のレスコ(たぶんディスコードのこと)に情報を流せばいいものなのに、個別で伝えられたことをいぶかしむ。

違和感が勝り、主人公は立ち入り禁止といわれた部室棟にやってきてしまった。

長髪の全裸の「男」が土下座させられて、その人を足蹴にしている男がいる……。

タ、タカヒトーー----!!!!!!?!?!??!?

作中の主人公は何が起きているのか理解不能でただ絶句するしかなかった反面、先に番井さんルートをクリアしていたプレイヤーなら全てを理解できる。そうか、お前がクズ男裁くんだな……!

もちろん番井さんルートをクリアしていなければ主人公と同じ気味悪さを体験できるので、それはそれでよいと思います。記憶を消去できたならタカヒト=番井を知らない状態でこのエンディングが見たい。

このエンディング、番井さんのクソデカ感情が凄い。この人いったいどこでここまでの愛情抱いていたのー!?

足蹴にされてるのは女装させられてるashさんで、性で傷つけられた彼が「女」の姿を強制されて「男」として謝罪させられる。タカヒト、やることがえげつねぇな。

でも、結局主人公叡ゲ同に寄り付かなくなっちゃったけどそれはいいのか……?

番井さんとしてタカヒトと出会った時は受け入れてくれた主人公が、タカヒト単体で出会うと状況が悪すぎたことを差し引いても逃げ出すレベルって相当ですよね。主人公の反応としてはタカヒトの正体が誰なのかが分かっていない感じでしたが、寄り付かなくなったってことは頭の片隅で番井さんと理解したからなのかな。いや、部室棟がトラウマで近づけないだけかも。

タカヒトにとってはashさんに主人公の意識が割かれなくなっただけ良いのでしょうね。こいつの愛情歪んでんなぁ……うん、めっちゃ好きだ。

ashさんはマジでご愁傷様過ぎて…。タカヒト=番井さんは知ってただろうけど、まさか番井さんがこれほど化物だとは思ってなかったんだろうな。男としても女としても尊厳奪われる感じがたまらなくキツイ。てか、「迷惑な男でしたね。」エンドも見えてないだけで同じことが起こってたのかな。

あ~! タカヒトヤバいわ~!! このエンド見たタイミングではまだashさんへのヘイトたまってたから「タカヒトやれー!!」って思ってたのも事実。ashさんルートなのに実質タカヒトエンドで超楽しかったです。

 

【俺と○○】

 攻略・選択肢メモ

「追いかけてちゃんと買い出しさせる」

「ま、待ってよ!」

「ちゃんと謝ってもらう。」

「興味だよ」

番井さんの魔の囁きを回避すると、かなり残念そうに番井さんが立ち去る代わりに、だいだいくんがまさかのアドバイスをくれます。いや、アドバイスには実質なってないんですけど、これがだいだいくんなりの励ましなんですよね。えぇ、だいだいくんが輝いて見える……最高……。

ashさんにとってマスストは人生の中心で、プロを目指したいと思いながらも出来ないと諦めてしまっていた。

主人公の言葉で逃げ続けていたマスストの大会に出たashさん。結果は2回戦敗退。ゲームだから…の展開で不用意にashさんを勝たせなかったのがとても良いシナリオだと思いました。叡ゲ同の中でどれだけ強くとも真面目に練習してなかったashさんが勝ち進めるわけないんですよね。

無礼な態度で逃げるように会場を後にした姿は当然のごとくコメント欄でたたかれる。「大人な対応しなきゃ…!」とは思うけれど、実際負けた相手と握手するって結構残酷な行為な気もします。アスリートの人ってスゲぇんだな。

ashさんの負けを認めない性格は常軌を逸していると番井さんは評価していて、その態度の悪さは叩かれても仕方ないものなのかもしれないけれども、プロとして輝くための素養のようにも感じました。負けてもいいって思ってる人がプロになんかなれるとは思わないので、ashさんは真にプロ魂を持っているんだって応援したくなりました。

今は対戦相手に気を割く余裕がなくて痛々しい態度をとっているけれども、きっといつか心に余裕ができたら相手を尊重して握手できる日も来るんでしょう。この敗北が最初の一歩だと思えばashさんには成長の伸び代しかないんですよ。

たどたどしいけど、ちゃんと主人公の名前呼んで謝ったのも凄い成長ですね。まぁ、元がひど過ぎただけで謝るのは普通のことなんですけど、見守っていたプレイヤーとしては「ashさんが……!! ashさんがちゃんと謝ってる……!!!!」ともうお母さん目線。主人公の忍耐強さがashさんの氷のような心を融解させたんだな。そりゃあ主人公に傍にいてほしいよな。

自信なさそうなのに素直に「付き合って…」というのは花丸でした。この告白がたどたどしいのは陰キャならではですね。

 

【あなたは花のような】

 攻略・選択肢メモ

「追いかけてちゃんと買い出しさせる」

「ま、待ってよ!」

「ちゃんと謝ってもらう。」

「言うのがはばかられる感情」

叡大祭のイラストが出なかったので、ashさんのハッピーエンドが「俺と○○」でないことに気づき、再挑戦しました。最後の番井さんの質問の選択肢だとあたりはついていましたが、やはり「言うのがはばかられる感情」を選ぶのが必須条件でしたね。ashさん、ハッピーエンドも2種あるんかよ…。大盤振る舞いだな。

基本は「俺と○○」の流れと同じでしたが、異なるのは最後。

告白に対しての返事が変わりました。素直に「いいよ」と言ってくれない主人公。でも、その理由がashさんをほとんど知らないからという彼を思いやった故でした。主人公の魅力が鰻登りでとどまることを知らない。もうどのルート行っても主人公が一番かっこいい。

ashさんの本名は「さえき ゆう」。ashさんが「人より優れるの優」と説明すると主人公が「優しいの優」と言い換えるのも凄く良い…! 似合わないっていう彼に、痛みが分かる優しい人って言える主人公は素敵すぎる。そうなんだよな…ルートはいってあまりのクズっぷりに引いたけど、実際他ルートではashさんめっちゃ優しかったんだよ……(だからこそ、ashさんは番井ルートで番井さんに結構優しかったのに、ashルートの番井さんがashさん嫌いすぎて闇深すぎた)。

花が好きと明言したわけではないけれど、花柄のワンピースを着たいと思ったり、今も実際花柄のシャツを着ているashさんにとって、「花」はきっと何よりも大切なものなんでしょう。そして、このエンディングは「あなたは花のような」。ashさんにとっての主人公はまさに「花」そのものなんですよね。なんてセンスのあるタイトル…!!

ashさんは2つハッピーエンドがあったわけですが、実質こちらはベストエンドですね。

だがしかし、エンドカードで闇を感じた。つ、番井さん……!?

だいだいくんルートではちゃんといたのに何故どうしてと大混乱。まじでashさんと主人公が一緒になるのが耐えられんかったんだな…。番井さんの激重愛情を感じました。おお、こわい(誉めてる)。

 

【Flowers died】

 攻略・選択肢メモ

「このまま放っておく」

「ま、待ってよ!」

「ちゃんと謝ってもらう。」

「興味だよ」

最後にこれを開くことになるとは思わなんだ。スキップ昨日使いながら全選択肢を試してたら、告白後の選択肢が変わっていた。

一瞬、「え? 主人公……?」ってなり、ashさんと同じく何が起こったのか分からなくなりました。だってこの選択肢までの流れは全部同じだったから。

そのあとの怒涛の展開は「お前に心はないんか……!?!?」と驚愕。いや、確かにashさんは最低でクズだった。いじめた側は直ぐに忘れても、いじめられた側はずっと心に残り続けるという言葉がある通り、ひどく傷つけられた主人公がashさんと付き合いたくないと思うのは仕方ないとは思います。

それでもashさんに希望を抱かせたのは主人公で、ずっと彼に寄り添っているそぶりを見せていたのも主人公で、それすべてがashさんをどん底に突き落とす布石でなかったのだと思うと「人でなし」以外に言葉はない。

ここまで嫌っていて、主人公がashさんにやさしくした理由は何?って本当に混乱しました。しかも、このエンディングに入る直前の選択肢は「興味だよ」。傷つけられた仕返しというより、個人的興味で希望を植え付けて堕とすのを楽しんだという印象が強いです。怖い。マジで主人公が怖い。番井さんルートでも番井さんの尊厳ぶっ壊してたけど、まだ狂った愛情を持ってた気がする。ashさんに対してはそれもない。ashさんは主人公にとって全てを愛せるだけの陰キャじゃなかったってことか…。

いや、うん。陰キャじゃなかったんだろうな。ashさんはただの「かわいそう」な人。

この指をさす演出がさらに恐ろしさを助長させました。もうやめたげてよぉ…!!

自分が何者なのか分からなくなったashさんは心壊。本エンディングタイトル「Flowers Died」は「花が枯れた」で、彼自身が死んだことを表しているのかなと思います。だからこそ、もうすべて投げ捨ててるから最後にあられもない姿を晒すんですね……。ただめっちゃかわいそうなのに、スチルは最高でした……ドスケベでしたな。なんかすまん。

ちな、姉はashルートでこのエンディングをはじめに見たらしいんですよね。私思わず「お前に心はないんか!?!?!?」ってなったんですけど…。このバッドエンド、絶対「俺と○○」より入るの大変だろ…??

あ、もちろん番井さんバッド同様、ベストエンドを周回してきました。ashさん、生きて……!

 

西村晴日ルート感想

最後は、陽キャの皮をかぶった西村君。

初登場時は主人公の陽キャセンサーに引っ掛かりえげつない暴言はかれてましたが、プレイヤーはこのゲームに陰キャしか登場しないことを知ってるため、初めて実況動画で見たときから「大学デビューだろ」と察しはつきました。陽キャになろうと頑張ったけど失敗したタイプの陰キャか……いるよな、そういう人。

西村君は他ルートではいつの間にかフェードアウトするので、実質一番謎に包まれてます。共通ルートでは陽キャらしい少し相手を馬鹿にした口調だけど、割とすぐに謝る意志薄弱さがキョロ充感を増大させていた彼。

一体どんな闇を抱えているのか…と思いましたが、個人的には闇深さはそこまでだったかなと。むしろ、他人の視線を避けてコソコソしてしまうのが、いろいろと自分にも刺さりました。別に西村君みたいに陽キャの真似とかはしてないけど、なんか自分と共通点が多かったですね。

西村君の虚勢を張るために他人を貶める態度は褒められたものではないですが、自己防衛の手段だったと思うとなんか可愛い子ですよね。あれ、私もどんどん陰キャに毒されてる……?

また、だいだいくんが「www」を多用するのに対して、西村君は「笑笑」を使うところが陰陽の差が出てて楽しいです。でも、西村君のは陽キャの教科書があったとして、それをそのまま使用したお手本通りの「笑」なんだろうな。
西村君は本編中でもずっと「かわいい」って言われている通り、か弱くて自分だけでは生きられない小動物に対する保護欲みたいなものを刺激してくるキャラクターでした。

 もっとネタバレ有り感想を読む(クリックで展開※ゲーム画面・スチルのスクショあり)

陽キャ(とこの時点では思っている)の西村君と6号館で会った主人公。他愛ない話をして6号館で授業があるといった彼と別れたのに、彼が6号館から出ていくところを目撃してしまう。

このコソコソする動きめっちゃわかる~!! 私も同僚と一緒に退勤すると必然的に電車を一緒に過ごさなきゃいけないのが嫌だから、いろいろ理由付けて時間ずらしたりするんですよね。でも、西村君。割とすぐに行動しちゃってるのは詰めが甘いゾ!

しかし、初手から西村君の陰キャ力が発揮され、割と自分にも置き換えられるせいで「ぐああっ!!」とダメージが通りました。姉はだいだいくんでダメージ受けてたみたいだけど、私西村君の方がちょこちょこダメージ来るんですが。陰キャってやっぱいろんなタイプがいるんやな…。

この適度に挟まる無言時間が陰のものっぽい。てか、私も恐ろしいレベルの人見知りなのでほぼ初対面に近い人こんな感じになるので自分見てる気持がして辛い。他3人のルートでは淀みなく話していた主人公も、陽キャ相手にはこうなっちまうわけか。安心しろ、西村君は陰キャだ。

なお、これキングダムハーツネタですよね?? え、好き……。

西村君と入れ替わりでだいだいくんと遭遇すると、彼から西村君の評価を聞けるんですが既によくない兆し。私もそれなりのコミュ障なので合わない人と話すの無理…ってなるのは分かるけど、最低限の返事は必要やで。無視するのだけは真面目にあかんやつ…。まぁ、だいだいくんの話が面倒くさいのは分かるけど。

番井さんも微妙な反応していることがだいだいくんの台詞で分かりますし、その後合流したashさんも「浅くてイライラする」とのこと。番井さん本人に改めて確認して、「自然にしようとした不自然さ」があると言われる始末です。西村君、コミュ障の塊過ぎて辛ぁ。イキリ陰キャって意味ではだいだいくんにかなうやついないんちゃうかって思いますが、西村君の陰キャ力も相当なもんだよ。

叡大祭のときに来るか否かで明暗が分かれるって番井さんが説明していたんですが、なるほどそれで他3人のルートだと西村君が一切登場しなくなるんですね。西村君も叡ゲ同にお願い馴染んで……!

途中害悪陽キャに遭遇しながらも、大学のカフェスペースに来て食事。ashさんお勧めのたまごサンドも番井さんお勧めのローストビーフサンドも選ばないあたり我の強さが見え隠れしていますな。せっかくお勧めしてもらったんだから食べてみるかとならない、そこに痺れる憧れるぅ~!

 そして遭遇する。この他サークルに活動に行くって言っておきながらカフェでスマホいじってるの陰キャ感増し増しですげぇリアル。1人でいること否定するけど、誰がどう見たって1人でいるで説得力のかけらもない。異常なまでに怯えてて挙動不審さがとても可哀想。ここでガンガン責めない主人公は陰の者の扱いに慣れているのだと思いました。いや、どちらかといえば状況把握するに精いっぱいだっただけかもしれませんが。

なお、西村君はパスタに負けた。

西村君が叡ゲ同に来なくなって自分のせいだったかもと苦悩する主人公が、謝るべきかと逡巡した後にそれを否定するのは強いなと思いました。この言葉は西村君が聞いていたらきっと強く刺さったことでしょう。意味なくぺこぺこするとそれが癖になっちゃうんですよ。そして、実際に西村君は謝り癖がついてしまっているんです。

都合が悪くなったときに謝れば大抵の相手は許してくれるものですよね。だから状況が悪くなる前に謝ってしまえって気持ちはよく分かります。ただ限度はあるもので、何でもかんでも謝っても相手には響かないんですよね。

西村君は自分を守る盾として謝るけれど、それを主人公に見透かされて…。「何に対して謝っているの」と問われたときも必死で取り繕っていたけど、ついには喚くことしかできなくったのはとても痛々しかったです。

ashさんルートとはまた違うけれども、西村君を「かわいそうな人」と称したのは印象的でした。うん、確かに可哀想だ…ほんとに。

西村君は人よりもかなり不器用だったみたいですね。ashさんとかもコミュニケーションの取り方が不器用で人に傲慢なところがありましたが、彼は人より才能が確かにあったんだと思います。努力をやめたからマススト大会で勝てなかっただけで、練習したら上に行くだけの力を持っているんですよ。

でも、西村君の場合は努力していても実りづらい。精いっぱいの努力で何とか追いついているけど、生来他者よりもできるようになるのが圧倒的に遅いんだと思います。だから常に劣等感を抱いていたんですよね。

ここの演出、周りの人の視線が徐々に集まってくるのが怖かったです。勉強が普通にできるだけでも十分なのに、人間ってどうしても全てにおいて完璧であることを求めがちですよね。まぁ、私もどちらかといえば完璧主義者だったので気持ちは分かるんですが、いろんな経験を経て人間なんて欠陥品なんだから適当でいいんだと思うようになりました。

途中ashさんが空腹は人間の欠陥って言ってましたけど、西村君ルートでこの台詞が出たのは意図的だったのでしょうか。きっとこの作者さんなら意識してくれているんだろうなぁ。

誰だって苦手なものがあるのに、苦手であっても時にそれをやるように強要されるのが社会。欠陥品だからこそ協力し合って補うべきなのに、できない人をなじるのが人間。できないことが多ければ多いほど詰ってくる人も増えるから、人を怖いって思っちゃた西村君はある意味社会の被害者なんですよ。

そんな彼に責任転嫁したら良いって言える主人公は優しくて強い。でも、本人は自分の弱さもわかっていて、だからこそ考え方を変えるってアドバイスが生きてくる。主人公の助言は、きっと西村君が最も欲しかった言葉なんですよね。

他人を見下していたのは、そうすることで自分が優位に立てると思っていたからとのこと。うーん、しっかりクズ! 自覚あるだけましだけど、まぁ、そりゃ叡ゲ同の他3人に嫌われるよなって感じですね。

 

【▼】

 攻略・選択肢メモ

「じゃあもう…、(指定した一人称)と何もかも逃げちゃおっか」

しゅ、主人公-----!?

今までも本性ヤベェとは思ってたけど、一番そのクズっぷりが出てきてるよ!!

愚かでかわいいと称した言葉は間違いなく本心で可愛いと思っているのでしょうが、それまでの誠実さとはかけ離れた豹変っぷりが恐ろしい。どのルートでも主人公の根っこの部分にある狂気はチラチラ散見されていたし、エンディング1種のだいだいくんを除いた各キャラのバッドエンドは毎度怖さを感じていましたが、西村君ルートの主人公は自分から本性を明かしに行ったが故にダントツで怖いです。

何にもないからこそ西村君の可愛さを証明しているんですって!

支配されていることに気づいていないのが可愛いって狂ってます(でもそこが最高なんだよなぁ~!!)。

 番井さんルートでもしっかり調教していましたが、西村君ルートでもたいがいです。スチルの渾身のアへ顔に目が行きますが、一番注目すべきはその手の鎖。叡ゲ同の部室で飼ってるの? 飼ってるのか??

他の3人は叡ゲ同に来なくなったんでしょうか。それとも3人の居ない隙をついてやってる…? 個人的にはだいだいくんも含め割と察しがいいので前者な気がします。叡ゲ同はヤリサーになってしまったのだろうか。

 

【▲】

 攻略・選択肢メモ

「それ、ちゃんとみんなの前で謝ろう」

やべぇな、西村君。この嫌われっぷりはコミュ障どころの問題じゃねーぞ。

だいだいくんはともかく、ashさんや番井さんも否定しないあたりがまたキツイですね。これは主人公がついてくれてないと絶対逃げる案件です。

そして、まさかのDOGEZA!

いつも通り煽るだいだいくんに、相変わらず悪態を吐くashさん。そして、ちゃんと受け入れる番井さん。それぞれ三者三様の対応ですが、これこそ叡ゲ同の平常運転なのでむしろ良い反応だなって思いました。なんか神妙になっても気まずさが募るでしょうし、ほんといつも通りだったのが救いのように感じましたね。誠心誠意謝ったら、上っ面の謝罪じゃないからこそ相手に伝わるものなんだね! 良かったね! 西村君!!

あれだけ嫌ってたのにだいだいくんが西村君にマシンガントークしてるのめっちゃいい!! やっぱだいだいくんって癒しキャラなんですよ!!! なんなのこの子、自ルート地獄みたいだったのに他ルートで輝きやがって!!(誉めてます)

余計な一言はあっても、ちゃんと西村君を受け入れてあげたんだなって感じられるやり取りでめっちゃよかったです。

いいぞー! よく言った!! と、思わずヤジを飛ばしてしまいたくなるエンディングでした。はじめは断ろうと思った主人公が西村君の初々しさに免じてお互いをよく知らないままでも受け入れたのは懐が広いと思います。ashさんのときはベストエンドだといったんマジで断るからな!

相手によって柔軟に対応を変えつつも、結果的に西村君の自信にもつながる結果になったので、狂気MAXの主人公も嫌いじゃないけど優しい主人公のエンディングが好きですね。

あ~~~!!! エンドカードに西村君がいるぅずぅ!!!?!?

番井さん→だいだいくんの流れでは変化がなく、ashさんで番井さんが消え、西村君でようやく全員集合なんですね……。もうほんっと芸が細かい。ようやく自分の居場所見つけられてニッコニコなのも最高です。ちゃんと叡ゲ同になじむんやで…。

また、西村君ルートは補填シナリオがありました。今後の西村君の変化を期待するお話が挿入されて、ashさんとはベクトルの異なる成長物語だったのかなって思います。

 

公式グッズ情報

BOOSTにて各種アクリルフィギュアが販売している他、SUZURIでも反逆者パーカーなどをはじめとした公式グッズが販売されています。

いろんなグッズがあるので是非ともお気に入りのグッズを購入して、ゲーム本編を400円で楽しませてくれた作者さんに還元しましょう! ゲームをお安く買わせてもらったからこそグッズ購入資金に充てられるのは最高ですな!!

なお、私も推しの番井さん(タカヒト)のアクリルフィギュアを購入させてもらいました。お給与はいったら反逆者パーカーも買ってディズニーに着ていくんだ!(炎上不可避)

ゲームクリア後に購入したので、まだ発送すらされてないのですが、手元に届くのが待ち遠しいです!

 

まとめ

私、このゲームクリアしたの1月18日なんですよ…。ずっと感想を隙間時間にちょこちょこ書き連ねていたんです。そしたら公開するまでに一週間以上経ってるし、文字数も歴代最高字数誇っていて自分でもちょっと引きましたわ。いや、好意的に考えろ。それだけ陰キャブコメの魅力が強すぎるってことだろう!?

途中の感想文でも述べていたんですが、一見ただのネタゲーなのに乙女ゲームとしての恋愛要素はもちろん、それ以上にキャラクター達の葛藤を通して私たち自身がネットや人間とどうやって付き合っていくべきかを考えさせられる真剣なテーマを含んでいるゲームのように感じました。本当にフィクションとは思えないほどの超現実的な展開に何度驚かされたことか。それをリアルに再現する多彩な表現力にはただただ尊敬ばかりです。

最高の作品を生み出してくれた作者さんには感謝しかありません。もちろん、作品と出会うきっかけになった実況主さんにも感謝です。今でも十分評価されてますが、もっともっと評価されてほしい作品なので、微力ながら感想の筆を執らせていただきました。熱意だけでも伝わればうれしい。

ここまで読んでいる方はネタバレ上等で読んでいる方がほとんどで、既にプレイ済みの方が多いとは思いますが、まだプレイしていない方は是非ともご自身で体験してほしいです。

本当に長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!